小林麻央さんの命を奪った乳がん。闘病記をつづったブログでは左乳房の腫瘤が見つかってから、乳がんと診断されるまでのことも詳細に明かしている。
夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)と受けた人間ドックがきっかけで、左乳房に腫瘤が見つかったのは2014年2月。だが、再検査では「がんを疑うようなものではない」と診断されていた。麻央さんは「生検はしなくても大丈夫でしょうか」と念押ししたが、医師は「必要ないでしょう」という判断だったという。
その後、紹介を経て都内の大学病院に移り、乳腺外科の医師のもとで治療を続けた。ブログを始めた理由について、麻央さんは「がんの陰に隠れないで」という医師の言葉に背中を押されたとつづっている。
だが、いつも前向きに病気と戦ってきた麻央さんが、再検査やセカンドオピニオンについてはこんな言葉で後悔を漏らしていた。
「あのとき、もうひとつ病院に行けばよかった。あのとき、信じなければよかった あのとき、、、あのとき、、、」(2016年9月14日のブログから)
当時は、勸玄くん(4)を母乳育児中で、一般的に乳がんの診断が難しいとされる授乳期間中だったことも要因だろう。医師の判断に疑問を感じたとき、どう対応すればいいのか。『よくわかる!がん最新治療シリーズ(1)乳がんと診断されました』(朝日新聞出版)から、医療ミスや医師とのコミュニケーションについてQ&Aで紹介する。
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Q:医療ミスかも!?
A:訴訟より話し合いで解決するのが主流に。専門機関に相談を
手術や治療を受けた後、事前の説明では知らされていなかった結果にいたったとき、「医療ミスでは?」と疑いたくなるかもしれません。誤解から医師やスタッフとの関係を悪化させないよう、まずはなぜそのような結果になったのか、医師から詳細な説明をしてもらいましょう。病院内の患者相談室、医事課に相談し、間に立ってもらうこともできます。医療ミスである疑いが濃厚であったとしても、現在は時間も費用もかかる裁判に持ち込むのはできるだけ避け、話し合いや示談で解決することが多くなっています。