病院内に医療ADR(裁判外紛争解決手続き)部門がある場合は病院内のADR部門に、なければ外部の医療ADR機関や保健所に相談してみましょう。

 保健所は病院を管轄しており、必要に応じて病院への立ち入り検査もおこないます。提訴する場合は医療専門の弁護士に依頼しますが、そこでも和解の可能性を探るケースが少なくないようです。また、弁護士は弁護士会の相談窓口で探すこともできます。

■疑問点を明らかにし真実を知ること

 いずれにしても大切なのは真実を知ること。

「疑問点を明らかにするという目的からずれないことが大事です」(嵯峨崎泰子さん)

 がん医療の技術は日進月歩ですが、いまだ完全ということはなく、発展途上にあります。まして、がんは個人差が大きく、たとえば検査で明らかにできることには限界があります。また、どんなに訓練をつんでいても、ミスは人間の行為につきものです。真実が明らかになり、どのような決着がついても起こってしまった事故はもとに戻せませんが、将来の患者のためにも、真実を明らかにして再発防止につなげたいものです。

Q:納得できるまで説明を受けたい

A:きちんと準備して効率よく話を聞きましょう

 基本的に担当医は患者との信頼関係を築こうと考えているので、患者は遠慮なくじっくりと話を聞くことができます。安心して治療を受けるためにも、自分の受ける治療の内容を十分に理解しておくことはとても大切です。ただ、がん患者が年々増え、多くの患者ががん診療連携拠点病院に殺到している現在、医師が患者一人当たりに割ける時間には限りがあることをふまえておく必要があります。そこで、効率よく上手に説明を聞くためのポイントを挙げてみます。

(1)できる範囲で勉強しておく

 専門的で高度ながん医療。その専門家である医師の話をスムーズに理解するには、準備が必要です。

 国立がん研究センターがん対策情報センターのパンフレットやウェブサイト「がん情報サービス」などを利用して、自分のがんについて自分なりに勉強しておきましょう。

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