「7時のニュースに◯◯さんが起用される」ことがニュースになるほど、アナウンサー職は注目されている。「大学ランキング」(朝日新聞出版)では、全国16社の現役アナウンサーの出身大学を独自に集計。最新刊「大学ランキング2018」から、上位30を紹介する。
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アナウンサー出身上位校は難易度の高い大学が多い。ランキングで1位に輝いた早稲田大の出身者は全国の主要な放送局で203人(2016年時点)が活躍し、一大勢力を築いていると言えるだろう。男性アナで圧倒的な人気を誇るフリーの羽鳥慎一さん(元日本テレビ)も早稲田大学政治経済学部卒だ。
2位以降も、慶應義塾大、法政大……と私立大学がずらりと並ぶ。国公立大で唯一トップ10に入ったのが東京大(5位)だ。日本テレビの情報番組「ZIP!」で総合司会を務める桝太一アナは、東京大出身。アサリの研究をしていた「理系男子」であることも有名だ。
そのほか、NHKの武田真一アナは筑波大出身、「報道ステーション」(テレビ朝日)のメインキャスターを務める富川悠太アナは横浜国立大出身と、国立大勢も活躍している。
もちろん、アナウンサーの採用試験で最優先されるのは学力ではなく、技量だろう。だが、アナウンサーに特化したコース、専攻を設ける大学はない。採用者が極端に少ないからだ。そこで、アナウンサー志望の学生たちはアナウンススクールに通い発声練習などをする。
大学にすれば、アナウンサー誕生は喜ばしい。大学パンフレットにOB・OGのアナウンサーを登場させ、学生生活を振り返ってもらうのは、受験生に夢を与えてくれるからだろう。(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫)
小林哲夫(こばやし・てつお)/1960年生まれ。教育ジャーナリスト。著書に『早慶MARCH』(朝日新書)、『高校紛争1969-1970 「闘争」の証言と歴史』(中公新書)、『東大合格高校盛衰史』(光文社新書)など