現在、欧州主要リーグから最も注目を集めているとみられる一人が関根貴大(浦和レッズ)だ。4月に22歳の誕生日を迎えたドリブラーは13年10月の天皇杯でトップチームデビューし、14年より昇格。以来、主力に定着して4シーズン目を迎えている。強みは年齢の割にJリーグで多くの経験を積んでいることと、小柄ではあるがフィジカル面も高いレベルにあることだ。特にサイドの長い距離を何度もアップダウンする持久力は4年間で飛躍的に向上している。

 またポゼッションを主体とした浦和レッズのスタイルにあって、個で仕掛ける意識が高く、分かりやすい特徴をアピールできる点も環境適応の助けとなるはず。ヘルタ・ベルリン(ドイツ)で活躍する原口元気の後輩でもあり、ブンデスリーガ移籍となればピッチ内外の情報収集も事欠かないと思われる。昨夏のリオ五輪に選ばれず、A代表の招集経験も無いが、だからこそ今が獲得のチャンスであることも確かだ。

 その関根にも匹敵する注目株が20歳の井手口陽介(ガンバ大阪)。ユースチーム在籍時にプロ契約をかわし、昨年Jリーグのベストヤングプレーヤーにも選ばれた若きボランチは早い段階から欧州志向を表明し、1次リーグ敗退に終わったリオ五輪後には「早く海外に行くに越したことはない」とメディアに語っている。A代表で欧州組から強い刺激を受けた部分もある様だ。ガンバで主力としてタイトルを獲得したいという意識も強い一方で、しばしば噂にあがるオランダやドイツのクラブから具体的なオファーがあれば、一気に実現の運びになる可能性はある。

 同じくガンバ大阪の下部組織出身で、5月20日に開幕するU‐20W杯のメンバーである堂安律は15年に大手英紙『ガーディアン』が選出した“98年生まれの期待の50人”に名を連ね、これまでもオランダのPSVなど名門クラブが獲得に乗り出したという報道もあった。U‐19アジア選手権でMVPにも輝いた堂安に加え、小川航基(ジュビロ磐田)や岩崎悠人(京都サンガ)、三好康児(川崎フロンターレ)、中山雄太(柏レイソル)、冨安健洋(アビスパ福岡)といった主力選手が、日本にとって5大会ぶりの出場となるU‐20W杯の活躍次第で欧州の熱視線を浴びる資質はある。

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