彼らより年齢は高くなるが、DFの昌子源(鹿島アントラーズ)も候補の1人だ。昨年末のクラブW杯ではあのクリスティアーノ・ロナウドをマンツーマンで止めるなど、持ち前の戦術眼に加えて個の強さも示した。今年3月にドイツ1部のブレーメンから獲得興味の情報を受け「観に来ていたのは知っていた」と語りながら、正式なオファーが出ない限りは特に意識しない気持ちを明かしている。
「今年25歳になるんですけど、CBについては24、25歳でも遅くないと言われたことがあったので、このタイミングというのは悪くないかもしれない」と語っており、積極的に売り込むことはないものの、オファー次第で進展するかもしれない。ただ、来季は“W杯イヤー”にあたり、レギュラーのポジションに定着している鹿島で18年のロシアW杯を迎えるのと、競争が確実に厳しくなる欧州クラブで迎えるのはリスクが大きく違う。W杯出場を目指す昌子本人もそのリスクは承知している様だ。
またJリーグ屈指のアタッカーとして認められる齋藤学(横浜F・マリノス)はシーズン開幕前、チームの海外キャンプに参加せず、契約延長も保留したまま欧州移籍の道を探ったものの、結局実現にはいたらず横浜F・マリノスの選手として今季を戦っている。欧州クラブにとって海外経験の無い日本人選手を冬の市場で獲得するのはリスクもある。夏はチーム編成を更新するため外国人選手の整理もしやすいが、逆にJリーグのクラブが出しにくい状況になる。27歳という年齢を考えれば今後チャンスが限られてくることから、いろいろな意味で難しい選択になってくるのではないか。(文・河治良幸)