CL準々決勝に臨むバルセロナのメッシ(写真:Getty Images)
CL準々決勝に臨むバルセロナのメッシ(写真:Getty Images)

 4月11日、チャンピオンズリーグ(以下CL)準々決勝で、スペイン王者FCバルセロナはユベントスの本拠地に乗り込む。イタリア王者はホームで47試合無敗。今度ばかりは、鎧袖一触とはいかないだろう。

 バルサはCLラウンド16でパリ・サンジェルマンを4-0から6-1と逆転で下し、世界に勇名を轟かせている。"籠城"を決め込んだ相手を攻め立て、最後は丸裸に。後半アディショナルタイムのセルジ・ロベルトの決勝点は、バルサらしさが凝縮されていた。ネイマールがボールを大切にし、捨て鉢にクロスを入れず、かわしてからピンポイントに打ち込み、それを叩き込んだ。カンプ・ノウの熱気も味方にした。

 しかしイタリア王者ユベントスは、パリSGのような脆さを持っていない。CLではこれまでたった2失点(最少失点)。GKブッフォン、CBボヌッチ、キエッリーニを中心にした守備は金城湯池で、腰が引けたまま6失点も喫することはない。

 拮抗した展開が予想され、トリノで行われる1レグは大きな意味を持っている。

 バルサはブスケッツの出場停止が痛い。チーム力は格段に落ちる。適切な場所で受け、迅速にボールを弾く、そのプレースピードがバルサの攻撃を支えている。また、同じく主力のイニエスタは故障を抱え、だましだましのプレーを続ける。さらに、パリSGとの激闘で活躍したラフィーニャも戦線離脱している。

 はたして、崩しきる攻撃を展開できるか。MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)の得点力は絶大だが、そこまでいい形でボールを運べないと、ゴールを奪うのに難儀することになる。バルサにとって、1レグはアウエー戦だけに「引き分けでもOK」だろう。ポゼッションすることで守備。相手に攻撃を許さず、強引に出てきたときには、MSNがカウンターを食らわす戦略だ。

 もっとも、ハイレベルな攻防は予想が付かない。
「バルサには世界最高の選手が揃っている。とくにメッシは一緒にプレーしてみて、言葉にできない凄みがあった。彼は唯一無二の存在だ」

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