侍ジャパンでも4番として活躍した筒香嘉智選手はチームを19年ぶりの優勝に導けるか?(c)朝日新聞社
侍ジャパンでも4番として活躍した筒香嘉智選手はチームを19年ぶりの優勝に導けるか?(c)朝日新聞社
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 開幕直前、新たな戦いのスタートに合わせて、セ・リーグ各球団の2017年を大予想!年始の予想からキャンプ、オープン戦を経て、評価はどう変わった!?

【1位】横浜DeNAベイスターズ
 例年以上にセ・リーグ全球団が決め手を欠く“混セ”の中で、昨季球団初のCS出場を果たしたDeNAの“可能性”を買いたい。打線は充実している。WBCでも侍ジャパンの4番として活躍した筒香嘉智を中心に、桑原将志、梶谷隆幸、ロペスらが脇を固め、新外国人のシリアコもオープン戦で12球団トップの打率.375をマークした。課題は先発投手陣だが、石田健大、今永昇太の成長が期待され、ドラフト1位の濱口遥大も1年目から結果を残せそう。前田健太が抜けて野村祐輔が飛躍した広島のように、山口俊が抜けたことを発奮材料にできれば面白い。リリーフ陣はパットンが加入。チームとして不完全な部分はあるが、その余白を“若さ”と“勢い”で埋めれば、1998年以来の歓喜も不可能ではない。

【2位】読売ジャイアンツ
 オフに大型補強を敢行した巨人だが、その新戦力たちの調整遅れが気になる。吉川光夫は開幕ローテ入りを掴み取ったが、陽岱鋼が故障からの調整遅れで開幕1軍から漏れ、山口俊は依然として3軍調整中。森福允彦の加入はプラスに働くだろうが、マギーは村田修一、阿部慎之助とポジションが重なり、カミネロには期待だが、代わりに澤村拓一が調整遅れで、全体としてチーム力がアップしたかと言われれば疑問が多く残る。オープン戦では5勝14敗で12球団最下位。それでもWBCで小林誠司がブレイクしたことは巨人にとっても大きな意味を持つはず。エース・菅野智之にWBCのダメージがなければ優勝争いはするだろうが、“優勝する”という根拠には欠ける。

【3位】広島東洋カープ
 連覇へ向けて、昨季限りで引退した黒田博樹の穴をどうするか。その答えは、プロ2年目の岡田明丈の成長で埋めることになりそうだ。その他、投手陣では加藤拓也、床田寛樹の新人コンビも1年目から勝負できる位置におり、打線では新外国としてペーニャが加入した。しかし、菊池涼介、田中広輔、鈴木誠也が不在で、チームの地力が問われたオープン戦では4勝11敗2分けの12球団中11位。昨季は4月を貯金4で終えたが、スタートで躓けば一気に歯車が狂う危険性もある。昨季と同じ“風”を生み出せるかどうか。“神”はそう簡単には降りてこない。緒方孝市監督は、常に連覇の難しさを感じながら過ごす1年になりそうだ。

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