前回大会でワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初優勝を飾ったドミニカ共和国は、今回も大物メジャーリーガーを揃えた布陣で、優勝候補の最右翼と目されている。米ケーブル局のESPNも、米国、ベネズエラと並び、今大会の実力トップ3に位置付けている。
前回大会でも、圧倒的な攻撃力で世界の頂点に立った同国だが、今回も野手の顔ぶれの豪華さは、他国を圧倒するものがある。特に一発長打を秘めた打線は、どこからでも得点できる破壊力にあふれている。昨季、MLBで32本塁打、104打点を記録し、4番候補だったエイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)は、自主トレ中に左ふくらはぎを負傷し、1次リーグの欠場が決まったが、その不在が大きな痛手にならないと感じるほどのビッグネームが揃っている。一塁手のハンリー・ラミレス(レッドソックス)、二塁手のロビンソン・カノ(マリナーズ)、遊撃手のマニー・マチャド(オリオールズ)は、いずれも昨季、MLBで30本塁打を記録しており、DHのネルソン・クルーズ(マリナーズ)も43本塁打で、4人の昨季の本塁打数を合計すると、149本塁打に達する。
外野手にも、過去に本塁打王2回の実績を誇るホセ・バティスタ(ブルージェイズ)に加えて、昨季30盗塁でトップバッターとして期待されるスターリング・マルテと、メジャー3年目で22本塁打、86打点を記録したグレゴリー・ポランコのパイレーツコンビなど、実力派の選手が並ぶ。その他にも、首位打者1回、盗塁王3回のホセ・レイエス(メッツ)などの大物の名前もあり、誰が出場してもメジャーの一流選手、と言えるほどの顔ぶれとなった。
投手陣は、野手ほどのインパクトはないが、先発では昨季18勝のジョニー・クエト(ジャイアンツ)を筆頭に、カージナルスで16勝をマークしたカルロス・マルティネスの二本柱が中心となる。リリーフでは、3年連続でオールスターに出場しているデリン・ベタンセス(ヤンキース)に、昨季51セーブでタイトルを獲得したジェウリス・ファミリア(メッツ)、37セーブのアレックス・コロメ(レイズ)と、ブルペン陣の充実ぶりが目を引く。