連覇に向けて、死角なしとも思える布陣を揃えた今回のドミニカ共和国だが、C組では、トップ3の一角である米国と同組で、第1ラウンドから両国の激突が見られるのは、ファンにとってはたまらない展開だ。ただ、同組には第1回大会で米国に勝利したカナダもおり、エンジンがかかる前の初戦の対戦で星を落とすようなことがあれば、第1ラウンドで敗退という可能性も皆無とは言えない。過去3大会では第1回ベスト4、前回は優勝と、その実力は折り紙付きだが、第2回大会では第1ラウンドでオランダに連敗して早々に姿を消すなど、脆さがある部分も否めない。

 日本とは過去3大会で、一度も対戦がなく、今回も組み合わせの関係で、準決勝まで対戦することはない。菅野智之(巨人)や則本昴大(楽天)といった日本を代表する投手が、この強烈すぎる顔ぶれの打線を相手に、どんなピッチングを披露するのか、見てみたいところだ。過去2度の優勝を誇る日本だが、この中南米の最強国からの勝利なくしては、真の世界王者と胸を張れない感もある。

 今回で最後との噂もあるWBCだが、日本の連覇でスタートした大会は、ドミニカ共和国の連覇で幕を閉じることになるのか。前回覇者の本気度からも、その可能性は大いに感じられる。

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