中田翔(左)と筒香嘉智(右)、どちらがWBCで侍ジャパンの4番を務めるのか?(写真:Getty Images)
中田翔(左)と筒香嘉智(右)、どちらがWBCで侍ジャパンの4番を務めるのか?(写真:Getty Images)

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦・キューバ戦まで1カ月を切った。メジャー組の投手不参加に大谷翔平の辞退などネガティブなニュースが続く小久保ジャパンだが、世界一奪還の目標に変わりはない。その過程で外せない注目ポイントが、「4番は誰か?」である。

 小久保ジャパン発足以降、継続して4番に起用されてきたのは中田翔日本ハム)だった。しかし、2015年11月に行われた『プレミア12』では中村剛也(西武)が新たな4番に指名され、その中村が故障離脱した後の決勝ラウンド以降の3試合は筒香嘉智(DeNA)がその座に就いた。これで“答え”が見つかったかに思えたが、昨年末の強化試合では全4試合で「4番・中田」、「5番・筒香」のスタメンで臨んだ。小久保ジャパンの集大成となる今大会で、指揮官は最終的にどのような決断を下すのだろうか。

 過去、主な国際大会を振り返ると、06年の第1回WBCでは松中信彦、08年の北京五輪では新井貴浩、09年の第2回WBCでは村田修一、稲葉篤紀、城島健司の3人が、そして前回13年の第3回WBCでは阿部慎之助がそれぞれ4番打者を務めた。そして今回、中村がメンバー外となった今、「4番は誰か?」ではなく、「4番はどちらか?」である。小久保裕紀監督自身「4番は中田か筒香。どちらも4番に相応しい」と明言している。

 中田か筒香か。世論的には「筒香」を推す声が大きいが、自らクラシカルな右の大砲かつ不動の4番であった指揮官の理想は「中田」である。確かに「4番・中田」の響きはいい。問題は、これまで結果が出ていない点にある。

 小久保ジャパンでの「4番・中田」の成績を振り返ると、13年の台湾戦で打率.154(13打数2安打)、14年の日米野球で打率.211(19打数4安打)、15年の欧州代表戦で打率.143(7打数1安打)で、期待された本塁打は1本のみ。一転、6番&5番を務めた『プレミア12』では、打率.429(28打数12安打)、3本塁打、15打点と大当たり。重圧から解放されて本来の長打力、勝負強さを存分に発揮した。そして再び4番に座った昨年末の強化試合では4試合で打率.182(11打数2安打)という結果に終わったのだ。

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