このような“パ高セ低”となった理由には、パ・リーグ球団の営業努力、ドラフト会議での有望選手の獲得、巨人一極集中時代の終焉など、さまざまな事柄が挙げられるが、運や世相以外で実際に変えることができるのは、ずばり制度面だろう。

 一つは「DH制」。パ・リーグの迫力のある野球、投打ともに魅力のある選手が育つのは「DH制だからこそ」という声は根強い。分業制が確立されて久しい中で投手が打席に立つ意図も不明確になってきた。「投手の打撃が見られなくなるのは寂しい」と言うならば、例えば交流戦期間中だけDH制不採用などにすればいい。そうすれば制度面の格差は解消され、今後もチーム戦略的に“二刀流”の選手が続々と出て来る可能性もある。セ・リーグ球団にとってDH制導入はメリットが多いはずだ。

 もう一つは、球団数の増加によるリーグ再編だろう。14年春に自民党から提言された「16球団構想」を再検証し、例えば16球団を4チームずつ、セ・パそれぞれ東西の4地区に分割することも一つの案。そうすれば批判の多い現行のCS制度の改善にもつながるはず。

 昨年の観客動員数がセ・パともに過去最高を記録するなど球場に足を運ぶファンは確実に増えているが、その一方で野球人口は減少の一途を辿っており、その流れに歯止めをかける意味でも球界全体の拡張・拡大は大きな意味を持つだろう。旧態依然としている日本球界だが、そろそろ大胆な改革が必要だ。

暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ