
例年以上の盛り上がりを見せた日本シリーズから早3カ月弱が経過した。改めて昨季の日本ハム、広島のリーグ制覇を振り返ると、両チームの共通点が「機動力」だったことが分かる。チーム盗塁数を見ると、日本ハムが132個、広島が118個でともにリーグ最多。“走れるチーム”が2016年のペナントレースを制したのだ。
昨季日本一となった日本ハムの盗塁数内訳を見ると、西川遥輝がリーグ3位の41盗塁をマークし、以下中島卓也(23盗塁)、田中賢介(22盗塁)、岡大海(9盗塁)、大谷翔平、谷口雄也(ともに7盗塁)と続いた。この日本ハムの“機動破壊”は昨季に限ったことではなく、13年から4年連続でリーグトップのチーム盗塁数をマークし、ここ3年は年間130盗塁をクリアするとともにAクラスをキープ(3位、2位、1位)。この機動力の高さが日本ハムの安定した強さの要因の一つになっている。
加えてそれ以前の数字を見ると、09年から12年まではソフトバンクが4年連続でリーグトップのチーム盗塁数を誇り、その間に優勝2回、3位2回の好成績。08年の優勝チームは西武だったが、この年の西武はチーム盗塁数もリーグ最多の107盗塁を誇った。このようにパ・リーグの過去10年間の最多盗塁チームの順位を見ると、優勝4回、2位1回、3位3回、4位0回、5位1回、6位1回。チーム盗塁数とチーム順位の相関関係が見て取れる。
セ・リーグの戦いにおいても同様のことが言える。過去10年間の最多盗塁チームの順位は、優勝3回、2位2回、3位3回、4位0回、5位2回、6位0回。盗塁数トップの10チーム中3チームがリーグ優勝を果たし、パ・リーグと同じく10チーム中8チームがAクラス入り。改めて機動力が非常に有効かつ確実な勝利への手段だと言えるだろう。