前回大会を制した東福岡。大会連覇なるか?(写真:Getty Images)
前回大会を制した東福岡。大会連覇なるか?(写真:Getty Images)

 前回ベスト4で17大会連続出場だった星稜(石川)と準優勝の國學院久我山(東京B)が全国を逃す“波乱”はあったものの、注目校が多くハイレベルな戦いが期待される全国高等学校サッカー選手権大会。

 優勝候補は前回王者の東福岡(福岡)、そして高円宮杯U-18プレミアリーグEASTの王者であり、チャンピオンシップも制し同年代の頂点に立った青森山田(青森)、夏のインターハイ王者である市立船橋(千葉)の三校があげられる。

 “赤い彗星”の愛称で知られる東福岡はAブロックに組み込まれた。変幻自在のテクニックを誇るMF藤川虎太朗(→磐田)、ドリブルの推進力があるMF高江麗央(→G大阪)、左SBで攻守に勝負強さを発揮するDF小田逸稀(→鹿島)のJ内定トリオに展開力のあるアンカーのMF鍬先祐弥、カバーリングに定評のあるキャプテンのDF児玉慎太郎と全国有数の実力者を揃える。

 特に前回の選手権で2年生だったメンバーが多く、夏のインターハイでも当然ながら優勝候補の筆頭と目されていたが、初戦で昌平高校に敗れ姿を消した。そこから良い意味でチャレンジャー精神を取り戻したチームが技術と運動量を融合したスタイルを発揮すれば、堅守が自慢の鹿児島城西(鹿児島)や快足SBのDFダビナス・ジェファーソン(→川崎F)、195cmのGK茂木秀(→C大阪)という2人のJ内定選手を擁する桐光学園(神奈川)など、全国に覇を唱える猛者がひしめくAブロックも順当に勝ち上がっていくことが予想される。

 そんななかで筆者が“ダークホース”に推したいのが長崎総科大附(長崎)だ。かつて国見で全国制覇を成し遂げた名将中の名将・小嶺忠敏監督が率いるチームは鍛え上げられた走力と現代的な技術と戦術をハイブリットに融合した様なチームで、爆発的な攻撃力と県大会無失点の堅守を兼ね備える。U-17代表のエースFW安藤瑞希は2年生ながら、成長次第では4年後の東京五輪も狙えるタレントであり、ウィングの宇高塊人も“ウタカ”の名前通り抜群の得点力がある。初戦でいきなり桐光学園と戦う厳しいブロックだが、ベスト16に勝ち上がれば東福岡を相手に“ジャイアントキリング”を果たしてもおかしくない。

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