C・ロナウド(左)と競り合う昌子(右)(写真:Getty Images)
C・ロナウド(左)と競り合う昌子(右)(写真:Getty Images)
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「数人はリーガ・エスパニョーラで通用する」

 レアル・マドリー(スペイン)のジネディーヌ・ジダン監督は、クラブW杯決勝後、鹿島アントラーズの選手たちを賞賛した。それは本心で、別の意図はなかっただろう。ただし、敵将が相手に塩を送るのは珍しいことではない。勝者である自らの価値を高めることを、経験的に知っているのだ。

 では、本当に世界最高峰のスペインリーグで通用するJリーガーはいるのか?

 過去にJリーグからリーガに挑戦した選手は、城彰二、西澤明訓、大久保嘉人(現川崎)、家長昭博(現大宮)、ハーフナー・マイク(現ADO/オランダ)などがいる。しかし、いずれも成功と言える結果を残すことができなかった。大久保でさえ、一度はマジョルカを1部に残留させ、「救世主」と崇められたものの、2年目は不振で帰国を余儀なくされた。

「無名なのに信じられないくらいうまい選手がいる」

 鳴り物入りでリーガに挑んだJリーガーたちは、そう言って修羅場に苦しむ。リーガはJリーグと比べ、「高いインテンシティやスピードでも技術が出せるか」が問われ、技術を持っているだけでは足りない。しかも練習、試合とタフな実戦が続く。ほとんど異次元の世界に入り込んだ感覚だろう。スコットランドで英雄視されていた中村俊輔(現横浜FM)が、全く通用しなかったほどだ。

 日本人Jリーガーのリーガ挑戦は、険しい道になる。鹿島だけでなく、Jリーグ全体でも、通用する選手は二桁に届かない。シーズンを通して活躍を、とハードルを上げると、0、もしくは1人というのが現実か。

 マドリー戦、鹿島は全員が健闘を示した。

 GK曽ヶ端準は的確なセーブを見せ、右SB西大伍はクリスティアーノ・ロナウドと真っ向から張り合い、CB植田直通は高さ強さで負けず、MF小笠原満男は気迫を見せ、永木亮太はしつこくボールにアプローチし、遠藤康はスペースの感覚にセンスを横溢させ、土居聖真は活動量豊富でサイドに流れて好機を作った。交代で入った赤崎秀平、伊東幸敏らもチームに貢献した。

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