推しメン休暇で関ジャニ∞のイベントに参戦したジークレストの社員の女性。平日のイベントも諦めない(photo ジークレスト提供)
推しメン休暇で関ジャニ∞のイベントに参戦したジークレストの社員の女性。平日のイベントも諦めない(photo ジークレスト提供)
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 働き方改革が進み、残業時間は減り、有給休暇の取得率が上がっている。それにかかわらず、「休み不足」を感じている人は少なくない。どうしたら休みやすくなり、休暇を満喫できるのだろうか。“休みベタ”を解消した企業の取り組みを紹介する。AERA 2023年2月13日号の記事から。

【グラフ】労働者1人あたりの平均年次有給休暇取得率はこちら

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 2019年4月に働き方改革関連法が施行。時間外労働には上限規制が設けられ、有給休暇5日の取得が義務となった。有休の取得率は21年に1984年以来最高の58.3%に。だが、十分休めていないと感じている人は多い。旅行予約サイト「エクスペディア」が21年に日本人約1千人に調査したところ、55%が「休み不足を感じている」と回答した。

 残業時間は減り、休みは増えているにもかかわらず、休み不足を感じるのはなぜなのか。

 リクルートHR統括編集長の藤井薫さんは言う。

「結局、仕事量が減らないまま、上司が早く帰ろうと言っても、働き手にしわ寄せがいきます」

 でも仕事量を減らしたら、職場が回らない。藤井さんはこう指摘する。

「意外と無駄な仕事をしているかもしれません」

 顧客が望まない過剰品質、機を逸した案内、誰も読まない資料……。無駄な仕事が実は自分の身の回りにもあり、業務の棚卸しをしなければ、心身を休める休日の確保は難しい、と藤井さんは指摘する。

「スポーツ界では、試合や練習のスケジュールに必ず休息が予定されています。働く人も、休みを含めて働く戦略を立てるべきだと思います。個人では限界があるので、組織で業務の見直しをすべきです」

■有休取得に罪悪感抱く

 前出のエクスペディアの18年の調べでは、日本人は他の国々と比べて、有休の取得に「罪悪感」を抱く割合が最も高かった。

 藤井さんは言う。

「『みんなが働いているのに、私だけ休むのは悪いな』と思うのは、組織のゴールと一人ひとりの役割が不明確だからです。加えて、日本人のメンタリティーが関係しています」

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