白峯神社の拝殿にはボールが奉納されている
白峯神社の拝殿にはボールが奉納されている
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タケミカヅチが祭られる鹿島神宮奥宮
タケミカヅチが祭られる鹿島神宮奥宮
香取神宮楼門
香取神宮楼門
亀戸香取神社拝殿
亀戸香取神社拝殿

 今年の夏は、リオデジャネイロ・オリンピックの開催で一層”熱い夏”となっている。すでに日本がメダル獲得した種目もあるが、今から本番を迎える競技も多い。毎日テレビやパソコンの前にくぎ付けになっている人も多いことだろう。

●運を味方につけるために

 どんな競技であれ、スポーツ選手の多くが験(げん)を担いでいる。たとえば、「勝っている間は下着を取り換えない」とか「靴ひもは必ず右足から結ぶ」など。以前ある有名選手が「決め事をしないのが験担ぎ」と言っているを聞いて、なるほどそういう験の担ぎ方もあるのかと思った。

 さらに神頼みも欠かせない。大きな大会の前にどこかの寺社を訪ね、お守りを受けたりする。負けるところをほとんど見たことがないジョコビッチが、今回、初戦で敗れた姿などを見ていると、勝負の世界はほんとうに幸運に恵まれるかどうか紙一重の差のような気がしてくる。この差は神さまのさじ加減ひとつだと感じることも多いのだろう。

●球技の神さまは京都に

 さて、日本にはたくさんの神さまや仏さまがいるが、なかにはスポーツや勝利に特に強い神仏も存在する。そんな寺社は特に若い男女に人気のスポットとなっている。

 日本で一番有名なスポーツの神さまは、驚くことに日本三大怨霊の1柱と言われる崇徳天皇を祀る京都の白峯神宮である。この神社には「鞠(まり)」の守護神として「精大明神」が祭られていることから、サッカーの神さまとして有名になった。今では、サッカーだけでなく球技全般、バレーボールやバスケットボールなどのプロリーグや日本代表チームが参拝する社として知られている。

●東京には全国のスポーツの神さまが集合

 スポーツの神さまとして有名なのは、天照大神が天岩戸に隠れた折、その岩戸を開き投げ飛ばした神さまとして知られるアメノタヂカラオである。この神さまを祀ることで一番名高いのが長野県の戸隠神社・奥社なのだが、東京でアメノタヂカラオの神さまを参拝したいとなれば、学問の神さまで有名な湯島天神に行くとよい。本殿の背後には、別の社として戸隠神社が鎮座している。

 また、相撲を最初に取った神さまとして知られる、タケミカヅチもその力の強さからスポーツ神としてあがめられている。タケミカヅチは、茨城県の鹿島神宮の祭神であるが、タケミカヅチと共に働いたフツヌシも同様に扱われることが多く、フツヌシを主祭神として祭る千葉県の香取神宮と共に勝利の祈願に訪れる選手が多いようだ。

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