5月11日の阪神対巨人7回戦(甲子園)。3回2死二塁、脇谷亮太(巨人)の中前打で二塁走者の小林誠司が本塁に突入した。中堅手の大和が本塁にワンバウンド送球。捕手の原口文仁は、本塁の後方へ下がりながら本塁をまたぐように捕球。走路として本塁の前方部分を開けるようにしながら、腰を引きながら小林誠にタッチした。タイミングはアウト。球審はその場でアウトの判定を下した。しかし、ビデオ判定となった末、原口が走路をふさいだとして、アウトがセーフに覆った。
このプレーの何が問題なのか。明らかに原口の動きは、衝突を避けるように、走者に本塁前方へ走路を空けているように見えることだ。一方、審判は「走者の走路をふさいだ」という見解。これは、三塁と本塁を結ぶライン上に、原口の左足がかかるという意味だ。また、ワンバウンドの送球を、下がりながら捕球しなくても、捕れたはずだ、という意味も含む。後日、友寄正人審判長が「走路に入らなくても捕球できた」と審判団が判断したと明かしている。なぜなら、送球に合わせて原口が下がっていた場合、コリジョンルールを適用しない「はず」だからだ。
ただし、友寄審判長は同時に、アウトの判定で良かったのではないか、という意見を持つ審判員がいたことも正直に明かしている。その後、日本野球機構から阪神へは、ルールの適用について、さらなる検討を行うと説明された。原口が捕球のため走路に入ったことも認められたが、立ち位置が走路だったためコリジョンルールを適用した、とも。この矛盾点は、今後の検討という、あいまいな状態となっている。