高学歴看護師の割合が高いほど、患者の死亡率が低いという……(※イメージ写真)
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週刊朝日ムック「看護師になる2016」朝日新聞出版医療健康編集部980円(税込み)Amazonで購入する
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朝日新聞出版医療健康編集部
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 この25年ほどの間に看護系学部を持つ大学の数と定員は、激増しています。

 1992年、高齢化による看護師不足を受け、「看護師等の人材確保の促進に関する法律」ができ、文部省(当時)は「看護系大学の整備・充実をいっそう推進していく必要がある」と発表しました。以来、看護系学部と定員は増え続け、2006年度には定員が1万人を突破。今春も6大学が新設し、定員は2万1394人になりました。

 医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は、看護系学部が急増する背景に、高学歴看護師のニーズがあると考えています。

「チーム医療では、医師や薬剤師らとチームを組んで医療にあたります。6カ年教育を受けた彼らと協力し、時に渡り合う必要のある看護師にはこれまで以上に知識や技術、教養が要求されているのです」

 急速に進む看護師の高学歴化は、時代の要請を受けた結果といえそうです。

 週刊朝日ムック『看護師になる2016』(朝日新聞出版)に掲載された、看護系学部が増える理由をみてみましょう。

<看護系学部が増える3つの理由>

【理由1】増やしてもまだまだ看護師は足りない!
高齢化社会になり、国の方針で大学の看護系学部が1992年から年々増え続けているが、まだまだ全国的に看護師不足は続いています。さらに、団塊世代が75歳以上になる2025年には、現在よりも約50万人多い200万人もの看護職が必要だといわれています。このように看護師の需要があることが、看護系学部が増え続けている理由です。

【理由2】チーム医療で果たす大きな役割
医師、看護師、薬剤師、検査技師らがチームを組んで医療にあたる「チーム医療」では、患者に密接に関わる看護師が果たす役割は大きいです。大学では、専門学校や短大より1年長く学べます。医療知識はもちろんのこと、教養もしっかりと身につけ、学業以外のさまざまな「今しかできない」体験も積むことが大切です。

【理由3】高学歴看護師が増えると患者の死亡率が下がる!
「ヨーロッパ9カ国の300病院の調査によると、大卒以上の高学歴看護師の割合が高いほど、外科病棟や救急病棟に入院した患者の入院後30日以内の死亡率が低いというデータがあります。アメリカでも同様の研究結果が出ています」(上理事長)。高学歴看護師が術後の医療事故を減らし、医療の質を高めているといえそうです。

 今春の看護師国家試験の合格者に占める大卒者の割合はすでに31%で、10年前と比べると約2倍になりました。大卒看護師の占める割合は今後ますます増えていきそうです。

※週刊朝日ムック『看護師になる2016』より

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