この理由としては、古い時代のエースは、先発と先発の間にしばしばリリーフ登板しており、こうした記録とは無縁だったことが挙げられる。
シーズン最多奪三振(401)を樹立した68年江夏は、先発37試合だが、リリーフ登板も12試合ある。それまでシーズン記録保持者だった稲尾は、353奪三振の61年に先発が30試合に対して、リリーフ登板がなんと48試合。55年金田(350奪三振)は、先発37試合でリリーフが25試合だった。当時のエースたちは、先発と救援の分業化が進んだ現在では考えられない登板数をこなしていた。稲尾のシーズン42勝(61年)など、永久に破られることはないだろう。
セ・リーグは、首位巨人と2位阪神が激突した。ともに新監督同士の対決は5度目だが(ただし、阪神の松木謙治郎監督、星野仙一監督は他球団を含めて監督経験があり、新人監督同士では3度目)金本知憲監督率いる阪神が、初対決は5連勝となった。
この試合ではルーキー高山俊が4安打。巨人戦デビューの試合で4安打を放った阪神の新人は、高山がドラフト制後(66年以降)で初めてだ。新人で72年ぶりに先頭打者初球アーチでプロ1号を飾った先週に続き、高山がまたもチーム史に名を刻む活躍をみせた。
文=日刊スポーツ・斎藤直樹
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