●まめの力 節分に、鬼に豆をぶつけるのはなぜか。
京都・鞍馬寺には、毘沙門天のお告げにより、鬼の眼に大豆を投げつけ退治したという言い伝えが残っている。人の心に邪な思いを忍び込ませることを「魔」というが、まめは、「魔眼」に通じ、また「魔滅」とも書けることから、「豆」を鬼の眼に向けて投げつけることが、厄払いになるという風習へと定着していったのだとか。
この時、使う豆を必ず炒るのは、鬼の眼を「射る」ため。生豆は効果がないだけでなく、縁起も悪い。豆まきの際には十分ご注意のほどを。
さて、風習では豆を撒くのは、一家の主人か年男と言われてきた。けれども、現代家庭では、おとうさんやおかあさんは「鬼」の役をさせられることが多いのではないだろうか? まぁ…いっか…。
●東京の豆まきに出かけよう!
日本全国、節分には多くの寺社で有名人を招いて豆まきを行う。先に述べたように、基本は年女・年男を呼ぶことになっている(とも思えなくなっているが…)。 東京の寺社では以下の場所の節分祭が有名である。 鬼に入り込まれないよう、心の「魔眼」にまめをぶつけてもらってはどうだろうか? 忘れてならないのは、自分の数え年ぶんだけ豆を食べると、病気にならず1年健康で過ごせるという言い伝えである。
●2016年豆まきイベント一覧
・浅草寺 節分会(http://www.e-asakusa.jp/event/1302_setsubun.html)
観音さまの前には鬼はいないという意味合いで、「鬼は外」とは言わず「千秋万歳、福は内」という。午後2時頃に伝法院から本堂へ練行列、2時30分から「福聚の舞(七福神の舞)」、午後4時から20分おきに4回、芸能人・文化人による豆まきが行われる。
・増上寺 節分追儺式(http://www.zojoji.or.jp/event/ev_setsubun.html)
11時45分、開山堂からお練りがスタート。餅つきや鬼問答などが行われたのち、12時30分から5回に分けて豆まきが行われる。毎年角界関取・芸能人が登場するほか、年男年女の参加も募集。
・高尾山薬王院 節分会追儺式(http://www.takaosan.or.jp/setsubun/)
朝5時から午後2時30分までの全6回の豆まき式が行われる。歳男・歳女修行者として式に参加もできる。2回目以降は、北島三郎さん、柳家小さんさん、久保純子さん、玉鷲関取なども登場。
・池上本門寺 節分追儺式(http://honmonji.jp/news/schedule.html)
力道山のお墓があることから、毎年節分の豆まきには格闘家が多く集う。今年も秋山準さん、曙さん、長与千種さんなどが参加予定。午後1時からお練り、午後3時から豆まき開始。干支に関係なく行事に列する福男・福女に参加可能。
・深大寺 節分豆まき式(http://www.jindaiji.or.jp/event/setsubune.php)
深大寺で祀る元三大師を描いたお札には「豆(魔滅)大師」が描かれている。これは元三大師が鬼の姿となって魔を祓ったという「鬼大師」の信仰に基づいている。そのため、深大寺では「鬼は外」とは言わない。豆まきは午前11時30分、午後1時30分、3時30分の3回。
・富岡八幡宮 節分祭豆まき式(http://www.tomiokahachimangu.or.jp/gyoji/saiji/setsubun/setsubun.html)
大和田伸也さんや石倉三郎さんなど芸能人の方々による豆まきが、午後4時15分から行われる。また、富くじにちなみ豪華景品が当たる「富くじ抽選会」も開催。
・神田明神 節分祭豆まき式(http://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail.html?id=8&m=02)
鳶頭による木遣り、赤鬼・青鬼、だいこく様・えびす様などが境内を清め歩く。江戸の鬼門の守護神ならではの鳴弦の儀(弓を天と地に向けて弾き邪気を払う)も行われる。
・大國魂神社 節分祭豆まき式(https://www.ookunitamajinja.or.jp/matsuri/setsubun.html)
午前11時からの「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の祈願祭のあと、芸能人・スポーツ選手らにわる豆まきが、午後に合計3回行われる。
・稲荷鬼王神社 節分追儺式
日本で唯一「鬼」を祀る神社だけに「鬼は外」とは言わない。「鬼は内 福は内」である。祭事は午後6時頃から。豆まき後に福袋が配布される。 このほか、都内ではないが近県で有名な節分祭りは、成田山新勝寺、川崎大師、鶴岡八幡宮、大宮氷川神社などがある。
ところで筆者は、今年の節分は京都で迎える予定である。鬼門にある「吉田神社」と裏鬼門にある「壬生寺」の節分祭はとくに有名だとか。さすがに節分祭りにも歴史のある町ならではである。さて、どちらで豆をぶつけてもらおう…。
(筆:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)