この点を踏まえて、五輪に選出されるのは「32歳まで(1988年生まれ以降)」と線引きし、2020年東京大会の代表メンバーを予想してみた。まず候補者は次の通りだ(かっこ内の年齢は6年後の満年齢)。

[捕手]伊藤光(オリックス・31歳)、中村悠平(ヤクルト・30歳)、森友哉(西武・25歳)
[一塁]浅村栄斗(西武・30歳)、T-岡田(オリックス・32歳)、銀次(楽天・32歳)
[二塁]山田哲人(ヤクルト・28歳)、菊池涼介(広島・30歳)、鈴木大地(ロッテ・31歳)
[三塁]堂林翔太(広島・29歳)、近藤健介(日本ハム・27歳)、高橋周平(中日・26歳)
[遊撃]坂本勇人(巨人・32歳)、今宮健太(ソフトバンク・29歳)
[左翼]中田翔(日本ハム・31歳)、筒香嘉智(DeNA・29歳)
[中堅]柳田悠岐(ソフトバンク・32歳)、梶谷隆幸(DeNA・32歳)、岡島豪郎(楽天・31歳)、駿太(オリックス・27歳)
[右翼]中村晃(ソフトバンク・31歳)、丸佳浩(広島・31歳)、西川遥輝(日本ハム・28歳)、秋山翔吾(西武・32歳)、橋本到(巨人・30歳)

 まず、野手を25人選んでわかったことがある。12球団中1球団だけ選出できなかったのが阪神なのだ。中心選手にベテランが多く、それではいけないと伊藤隼太、横田慎太郎(ともに外野手)をドラフト上位で獲得したが、まだ中心選手に育っていない。

 つまり、ここに紹介した「88年以降生まれの人材」が最も少ないのが阪神の野手、ということになる。当初は91年生まれ以降の(6年後に29歳になる)選手を選んでいて、そのときは梅野隆太郎や横田が候補選手に挙がっていた。阪神に若手はいるのである。

 そして、91年生まれ以降でまったく名前が挙がらなかったのが巨人だった。ここで名前が挙がっている坂本、橋本は6年後には30歳を超えている。大田泰示も小林誠司も30歳以上で、20歳代と言えば実績のまったくない辻東倫、奥村展征たちしかいない。少し前まで盛んに行われていた原辰徳監督の若手抜てきが近年は影を潜めて、それにつれてチーム全体に古ぼけたセピア調の色彩が覆いはじめている。2020年東京五輪の代表予想をしていて、そんなことに気づかされた。

 さて、投手の代表予想は次の通りだ。

[投手]
パ・リーグ……武田翔太(ソフトバンク27歳)、森唯斗(ソフトバンク28歳)、松葉貴大(オリックス30歳)、西勇輝(オリックス30歳)、吉川光夫(日本ハム32歳)、大谷翔平(日本ハム26歳)、上沢直之(日本ハム26歳)、西野勇士(ロッテ29歳)、石川歩(ロッテ32歳)、菊池雄星(西武29歳)、高橋朋己(西武31歳)、松井裕樹(楽天25歳)、則本昂大(楽天30歳)

セ・リーグ……菅野智之(巨人31歳)、藤浪晋太郎(阪神26歳)、前田健太(広島32歳)、野村祐輔(広島31歳)、大瀬良大地(広島29歳)、大野雄大中日32歳)、福谷浩司(中日29歳)、小川泰弘(ヤクルト30歳)

 シーズン中に、メジャーリーガーのチーム離脱は考えられないので、田中将大(ヤンキース)も選ばなかった。また、6年後にはメジャーに在籍している可能性が高い前田も選出していない。主力は、大谷や藤浪、武田、松井など現在20歳代前半の若手である。

 さらに、スターティングメンバー(打順)を予想してみた。

1 柳田悠岐(中堅手)
2 菊池涼介(二塁手)
3 坂本勇人(遊撃手)
4 中田 翔(左翼手)
5 浅村栄斗(一塁手)
6 山田哲人(指名代打)
7 中村 晃(右翼手)
8 堂林翔太(三塁手)
9 森 友哉(捕手)

(投手)
  大谷翔平
  藤浪晋太郎
  則本昂大
  菅野智之
  松井裕樹……など

 ちなみに、ここまで名前を挙げたのは全員プロ野球選手。東京五輪が開かれる2020年に23、4歳となっているのは、現在の高校球児である。これまで名前を挙げてきたメンバーの中に名前の知らない4、5人が加わって全日本が構成されると思っていただきたい。

(スポーツライター・小関順二)

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