同じ犬のなかでも、犬種によって発生しやすい病気やケガが存在する。そのため、パグやフレンチ・ブルドッグなど短頭(吻)種を得意な犬種として掲げるような動物病院も登場しているのだ。

 動物病院の専門性を判断したい場合、「他病院からの受け入れ症例」なども参考になる。わざわざほかの動物病院が、特定の病気や動物種に限って受け入れを頼んでくるのだから、獣医師の間でその実績などが認められている可能性が高い。

 動物病院に起きているもう一つの変化が、総合病院化やチェーン展開だ。

 スケールメリットが追求できるという利点があり、例えば薬品、薬剤などを一度に大量に調達することで、飼い主の費用負担を減らすことができる。また、チェーンのどの病院に行っても同じ水準の診療を受けられるのも、飼い主の満足度につながる。チェーン展開によって安定雇用が確保されるから、若い獣医師や動物看護師にとっては安心して働くことができるという側面もある。それは、獣医師のレベル向上につながるから、ひいては飼い主のメリットにもなる。

 複数の病院の機能を組み合わせて、一つの総合病院のような存在を作り上げているグループも存在する。また、獣医師や動物看護師を増やすなどして、総合病院的な存在を目指す街の動物病院も出てきているのだ。

 予防、早期発見、正しい知識と確かな技術による治療、他病院の適切な紹介――。さらには栄養指導やしつけ指導などまで。そのどれもが提供される動物病院を見極めたい場合、やはりチェーン展開していたり、総合病院化していたりするところを中心に見ていくことになる。

 これらに加えて、科学的な指導ができる動物病院を選ぶひとつの目安となるのが「JAHA(日本動物病院協会)」の認定病院や会員病院だ。会員病院はJAHAのホームページで検索可能だ。

※アエラムック『動物病院 上手な選び方』から要約

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