プロ野球・巨人の原辰徳監督の「女性問題で、原監督から情報源として名指しされた元GMの清武英利氏。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏がその真相に迫った。
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鳥越:率直にうかがいますが、週刊文春が報じた原(辰徳)監督の女性問題はご存じでしたか。
清武:詳しくは知りませんが、2009年に巨人の球団事務所に脅しのような電話がかかってきたんです。その電話には、たまたま一般の社員が出て、すぐに法務部が対応しました。僕には社長から、おおまかな話がありました。ただ、「1本」と言っていたので、最初は原監督が支払ったのは100万円か1千万円だと思っていましたが、よく聞くと1億円だというので驚愕しました。
鳥越:06年の、原監督が1億円を支払った時点では、知らなかったのですか。当時、球団代表だった清武さんの相談があってもいい気がしますが。
清武:そのころは、まったく知りませんでした。監督とGMという立場は、チームの強化方針をめぐって時に摩擦を起こすこともあります。私は原監督の言葉を取り上げた本を出版したり、親しい関係にありましたが、弱みは見せたくなかったのだと思います。
鳥越:読売側は、情報源が清武さんだと断定して会見していますよね。
清武:まったく根拠のない話です。わかってもらいたいのは、僕が相手にしているのは渡邉(恒雄・読売新聞グループ本社会長兼主筆)さんなんです。巨人軍の私物化、メディアの私物化があまりにひどいということを一貫して訴えているんです。それが、原監督の問題など他の話題にすりかえられると、結果、僕の訴えたいことの焦点、肝心な部分がボカされてしまう。その点がもっとも残念です。
鳥越:しかし、原監督も「清武さんへ」と題した異例の声明文を出しました。あの文章、どう思います?
清武:読んで恥ずかしかったですよ。僕の周りには、あれこそ名誉毀損だから訴えるべきだという人も多くいます。ただ僕は、原監督が「書かされた」としか思えない。だから、原監督とやりあう気はまったくありません。
※週刊朝日 2012年7月6日号