第38回(2012年度)木村伊兵衛写真賞(主催・朝日新聞社、朝日新聞出版)の受賞者が菊地智子さん と百々新(どど・あらた)さんに決まった。
対象作品は、菊地さんがグループ写真展「日本の新進作家vol.11 この世界とわたしのどこか」から「I and I」、百々さんが写真集『対岸』と同名の写真展。
本賞は、写真家の故木村伊兵衛氏の業績を記念し1975年に創設され、毎年、1月から12月までのあいだに、写真の制作・発表活動において優れた成果を上げた新人に授与される。
選考委員は岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大の3氏とアサヒカメラ編集長。
受賞作品展は4月23日から5月2日まで東京・新宿のコニカミノルタプラザで開催される。
【受賞者略歴】
菊地智子(きくち・ともこ)
1973年東京都生まれ。96年、武蔵野美術大学卒。97年、香港に移住し、フリーとして活動を開始。99年、北京に移住し、欧米の雑誌を中心に活動。2006年から中国のドラァグクイーンの撮影を始め、受賞作にまとめた。現在、中国の急激な発展下における人々の心の揺れをテーマに作品を制作している。
百々 新(どど・あらた)
1974年大阪府生まれ。95年、「新しい写真家登場」グランプリ。97年、大阪芸術大学卒。2000年、「日本写真協会新人賞」。受賞作『対岸』は、世界最大の湖・カスピ海を囲む五つの国々で07年から撮影を重ねてきた。このほか写真集に『上海の流儀』(Mole出版)、『RUSH』(リトルモア・共著)がある。