厚生労働省が7月1日から、生食用の牛レバー販売を禁止する。禁止まであと1カ月。
早くもレバ刺しが消えつつあり、多くの嘆きの声が街に溢れている。
都内でも数少ない東京・赤坂のレバ刺し提供店「レバ刺し申焼 赤坂金舌」運営会社の鎌田祐一さん(35)は今回のレバ刺し禁止令についてこう嘆く。
「石焼きレバーを検討していますが、生の食感を好むお客様の期待にこたえられるか......」
同店はいま、「来たお客様が次の予約を入れて帰っていく」(鎌田さん)という状態という。
危険がある以上、野放図にレバ刺しを食べるのは、やめたほうがいいのかもしれない。だが、なんとかいい方法がないものか。
取材で知り合ったレバ刺し好きの一人は「抜け道」の方法を話す。
「レバ刺しというメニューはなくなるでしょう。今後はレバーと書いて、七輪とごま油を出す店も増えてくるのではないか」
つまり、「店は建前上は加熱用として出すが、客は生で食べる」ということだ。店と客とのあうんの呼吸でレバ刺しは存在し続ける可能性もある。
業界団体によると、レバ刺し禁止による経済的損失は400億円といい、「安全なレバ刺し」の実験を試みている。
厚労省はこう話す。
「安全に処理できる方法が見つかれば規制は見直す」
※週刊朝日 2012年6月15日号