※写真はイメージ(Gettyimages)
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「声は嘘をつけません」。そう話すのは『繊細すぎる人のための自分を守る声の出し方』(朝日新聞出版)の著者で、メンタルボイストレーナーの司拓也さんだ。人事異動がある季節の変わり目(1月、4月、9月)になると、管理職になりたての人が、司さんのボイストレーニングスクールを受講しに来る。実は、部下に軽く見られたり、ばかにされない上司になるのに必要なのは「声」なのだという。どういうことなのか? 司さんにご寄稿いただいた。

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 昨今では、女性の管理職を増やそうという企業の傾向もあり、心の準備もできないままに唐突に管理職に抜擢されたという女性も多いようです。困惑しながら務めを果たすべく頑張ろうとするも、部下から軽んじられたり、ばかにされているように感じてしまうという話をよく聞きます。こんなことなら管理職など引き受けなければよかった、そんな深刻な声も聞かれます。

 また、私の生徒さんには、経営者の方も多くいらっしゃいます。もっと影響力のある声を出したい。社員の心に響くような声を出したい。声が高いので、低音で威厳のある声で話せるようになりたい。そんな要望が非常に多いです。

 人は声で相手との上下関係を無意識にジャッジする生き物です。ご自身が受け手になったときのことを想像してみてください。おどおどした話し方をする人、こもった声でボソボソと話す人、高くキンキンした声で話す人に対して、無意識に相手を下に見たり、不信感を抱いたり、不快感を持ったりした経験が一度くらいはあるのではないでしょうか。

 声は嘘をつけません。メンタルの状態が声にダイレクトに現れるのです。メンタルが安定せず、腹が据わっていない人は、呼吸が浅くなり、声が上ずったり震えたりしてしまいます。

 そんな時は、お腹から声を出す腹式発声を身につけましょう。腹式での発声は、いわゆる「いい声」が出るだけでなく、自律神経のバランスを整える働きがあります。特にアガりやすい、緊張しやすい、おどおどしやすいなど、交感神経が優位になりやすい人は、腹式発声でゆっくりと話すことで、副交感神経が優位に働きリラックスして話せるようになります。

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みぞおち発声法のやり方