3月31日に英王室を離脱するヘンリー王子とメーガン妃。2人の離脱後の動向が注目されているが、英国ではその行く末は対照的な扱いだ。AERA2020年4月6日号で掲載された記事を紹介する。
※前編/「当初はエリザベス女王から寵愛も…ヘンリー王子とメーガン妃が王室離脱するまで」より続く
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ヘンリー王子とメーガン妃は、税金である王室助成金を返上し、代わりに独自にビジネスを始めたい、さらにイギリスと北米の両方で暮らしたいと主張した。しかし王室助成金は王子の収入のわずか5%、1500万円に過ぎない。95%を占めるチャールズ皇太子(71)のコーンウォール公領からの約3億円はそのまま受け取ることになる。
さらに夫妻は結婚の際に与えられた称号「サセックス・ロイヤル」を商標登録しており、100以上の文房具やTシャツなどのグッズを世界に向けて販売する予定だった。
この主張はイギリス国民からは「いいとこ取り」と受け取られ、反発を招いた。
これに対するエリザベス女王の対応は素早かった。女王は緊急家族会議を開き、数日後には「HRH(殿下、妃殿下)」の使用禁止を申し渡した。さらにその後、「サセックス・ロイヤル」の使用禁止も求めた。メーガン妃はこの処置に対し、「女王は海外でのロイヤルという言葉の使用に対して、権利を持っていないはず」とやり返したと報じられた。
メーガン妃はもはやイギリスや王室に対する反発と対決姿勢を隠そうともしない。カナダに戻り、「離脱の選択は正しかった」と漏らしていると伝えられる。これで妃は待望の自由を得る。ディズニーの声優、俳優復帰、自伝の出版など夢は広がる。エネルギッシュで働き者の妃は活躍の場を広げるだろう。
一方、ヘンリー王子の今後には不安が広がる。
カナダにいた王子は昨年末から今年にかけて、ロシア人コメディアンが仕掛けた、環境活動家グレタ・トゥンベリさんなどをかたるいたずら電話にひっかかっている。トランプ大統領の悪口や今の心境などを漏らしたことが報じられた。宮殿にいれば、スタッフがガードしたはずの悪質ないたずらだった。ロイヤル育ちの王子はだまされることに慣れておらず、今後も落とし穴にはまる可能性がある。
「妃はすべてを手に入れ、王子はすべてを失った」
イギリスのタブロイド紙、デイリーメールはこう報じた。イギリス国民は早くも2人の離婚を視野に入れている。(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERA 2020年4月6日号より抜粋