2つ目の理由は、大学で学ぶことは勉強だけではないからです。「大学で学ぶことが実際の仕事の役に立たない」「授業が学費に見合った内容ではない」と思う方は、大学に通う意義を学業のみにフォーカスしすぎています。私は慶應義塾大学の経済学部を卒業していますが、在学中は1年のうち5カ月ほどが夏休みや春休みなどの休みでした。さらに3~4年生になると授業の数も少ないので、大学に行ったのは週1~2回程度でした。これを聞いて、(高い学費なのにコスパが悪い)と思われるかもしれませんが、むしろ若くて体力がある時期に自由な時間を得られるのは、人生において非常に大きなメリットです。

 大学に通う4年間は、人生のモラトリアム(執行猶予)とも呼ばれる期間です。社会に出る前に、学生という大義名分を持って、自由に過ごせるのです。そのため、「起業したい」「YouTuberになりたい」から大学に進学しないのは非常に非合理的です。大抵の事柄は、大学と両立できるからです。

 大学時代に経験したことは、後の人生でもプラスに働くことが多いです。若い頃の過ごし方は、その後の価値観に大きく響きます。大学生のうちに自ら行動すれば、感性を豊かにするような体験や仕事がたくさんできます。

 YouTuberは学歴が必要ないと言われる職業ですが、大学時代に経験した事柄が仕事に生きる場面も多いです。学歴があることで、他のYouTuberと差別化することができます。YouTuberが学歴不問の職業だからこそ、学歴で差別化できるのです。

 最後に、日本では一定のレベル以上の大学に進学する際は、受験勉強をする必要があります。この受験の経験も人生の糧になります。「勉強をしておけばよかった」と後悔する大人は非常に多いのですが、「勉強をしなければよかった」と後悔する人はいません。

 勉強をするのはめんどくさかったり、覚えるのが大変だったりするかもしれません。しかし、社会に出てする仕事は、もっと面倒くさくて大変です。
考えることをやめないで、受験をしてみていただきたいです。時間の使い方やコツコツ努力すること、中長期の目標を達成することを体験できる絶好の機会です。

 もちろん、スポーツや芸術などで特別な才能があり、その能力を伸ばすことに時間を使う必要があるために大学に進学しないほうが有意義である方もいます。しかし、もし大学に進学しない理由が、「無駄だと思うから」「学歴はいらない」というものであれば、絶対に進学しておくべきです。

 学歴が人生で、いつ必要になるかは分かりません。将来の自分の可能性や選択肢を狭めないために、得られるものは得ておくべきです。

 若い子たちには是非とも勉強をたくさんして大学に進学し、豊かな人生を歩んで欲しいと思います。

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