日本国内男子ゴルフを統括する日本ゴルフツアー機構(JGTO)は3月25日の社員総会と臨時理事会で、青木功会長の3選を決めた。
総会前、選手の一部が上田昌孝専務理事ら理事3人が機能していないなどとして退任を求めた嘆願書に署名を求める活動を展開。JGTOの体制側は、出席せず委任状で意思表明する選手に支持を訴える文書を出して対抗していた。
その危機感は、本誌が入手したJGTOの内部文書「進行要領」から十分にうかがえる。社員総会で議長を務める青木氏がスムーズに進行できるように作成された”あんちょこ”で、ページには漢字にルビが振られている。
重大な議題は、冒頭にも触れた理事選任の議案だ。上田氏が理事18名選任の第3号議案について説明。議案の採決に移った。
進行要領では、時松隆光選手会長、石川遼JGTO副会長が原案に賛成すると「想定問答」には記されていたが、ともに「上田理事に反対」。
残りの3人の選手のうち2人は「18名の理事全員に反対します」と声を上げた。
「青木氏もどうしたんだよという感じで、驚きを隠せなかった」(前出の関係者)
だが、青木氏は委任状を含めて採決の結果、過半数の賛成があったので、理事の人事も承認、可決されたと述べた。
「反対意見の直後だったので、石川氏らはなぜ可決なんだとあぜんとした表情だった。不思議だったのは、出された委任状の数、賛成、反対が何人などの内訳が公表されなかったこと。参加していた選手もそれに対して、首をひねっていた」(前出の関係者)
終了後、報道陣の前に姿を見せた青木氏は「選んでいただきましたので、一生懸命頑張る」とだけコメントした。JGTOの顧問弁護士である野村修也氏は、青木氏の解任など反対意見については「議題になっていない。総会はスムーズだった」などと説明した。
選手の一人はこう話す。
「総会前、上田理事だけには絶対反対しろというメッセージが選手に回ってきた。私も反対した。できれば青木会長にも交代してほしいので、そう委任状に書いた。委任状の数や賛成、反対が総会で知らされなかったことでますます選手の不安は大きくなっている。JGTOは選手のための団体、もっと透明性、情報公開をきちんとやるべきだ。青木会長体制に決まったが、まだまだ波乱があるかもしれない」
(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事