今回は死球について取り上げたが、イメージから事実とは異なった評論や解説をしてしまうことは少なくない。印象やイメージも軽視することはできないが、事実となるデータと照らし合わせてみることで、意外な事実が浮かび上がってくる例は少なくない。実績のある元選手や解説者の発言を鵜呑みにはせず、あらゆる点から検証してみるのもまた野球の面白さの一つであることは間違いないだろう。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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