コロナウイルスの感染拡大で状況は一変。大阪や兵庫も緊急事態宣言の対象となり、生産ラインなどの一部の社員を除き、ほとんどの社員がリモート勤務に移行することができた。地道に進めてきた準備が功を奏した格好だ。齋さんは言う。

「同時期に時差出勤も導入したのですが、こうした準備がなかったら今ごろどうなっていたか。とにかくトライアルでも何でも、やってみながら考えることが大事だと思います」

 アエラが実施したアンケートでも、26社のうち「全部署にリモートワークを導入している」と回答した企業は19社のみ。生産や接客を伴う業種では、業務維持のために現場に立ち続けなければいけない現実もある。一方、アース製薬のように、製造部門でも一部の職だけ、と柔軟に導入することもできる。とにかくやってみる、という姿勢が重要な局面に来ている。(ライター・市岡ひかり、編集部・福井しほ)

AERA 2020年4月20日号より抜粋

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