テレワークが進み、ひっそりとするオフィスは、コロナが過ぎ去るのを待っている(写真/岡田晃奈)
テレワークが進み、ひっそりとするオフィスは、コロナが過ぎ去るのを待っている(写真/岡田晃奈)
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 政府によるテレワーク活用の呼びかけから1カ月以上が経ち、導入した企業では取り入れにくい部署もあるなど課題が浮かび上がっている。いかにして乗り越えたのか。AERA2020年4月20日号はテレワークを特集。コロナ以前と以後で何が変わったのか。

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 午前9時。アース製薬の根岸弥生さん(29)の朝の業務は、リビングのパソコンを開くところから始まる。約1時間半かかっていた通勤時間がなくなり、起床時間は7時半から8時半に。以前よりゆっくり眠れるようになった。問題は運動不足。外出自粛のため、終業後はフィットネスゲームで汗を流している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が企業に時差通勤やテレワークの実施を推奨してから1カ月以上が過ぎた。アエラでは、働き方の変化についてアンケートを実施。4月7日の緊急事態宣言発令前に、26社から回答を得た。「コロナ以前」「コロナ以後」の対策や課題がわかった。

 回答を寄せた企業の多くが、リモートワーク(テレワーク)やオンライン会議などは、すでに導入や整備をしていたことがわかる。

 注目は、新型コロナウイルスの問題を受け、改めて働き方改革に乗り出す企業が多いことだ。緊急事態宣言の発令で、待ったなしの課題となったテレワーク。現場では、「働き方改革」の改革が起きていた。

「コロナの問題がなかったら、これほど社内にテレワークが浸透しなかったかもしれません」

 アース製薬人事部の齋(さい)有希子さんはこう振り返る。同社では、2020年に予定されていた東京五輪を見据え、18 年からトライアルを重ね、19年に導入した。

■「リモート朝礼」の説明も

 ただ、当初はテレワークを「特別な制度」と捉える傾向もあった。普通に出社できる社員は関心が薄く、勤怠管理上テレワークの申請ができるシステムに登録したのは、対象者の4割程度にとどまった。

 特に大阪や兵庫などに拠点を置く、生産・研究部門でその傾向は顕著だった。もちろん生産ライン上の人は、物理的にテレワークは難しいが、管理系の職種など業務的にはパソコンを持ち帰って作業できる社員もいた。ただ、「朝礼があるから……」など、二の足を踏む声も。人事部ではリモートでの朝礼方法など、丁寧に説明を重ねた。

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