新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に広げた。各自治体では外出自粛要請を出し、感染を収束させようと努力している。
政府は感染の収束に向け、人と人の接触機会を「最低7割、極力8割」削減することを目標に掲げ、クラスターが発生しやすい「密閉空間」「密集場所」「密接場面」(いわゆる「3つの密」)の典型である通勤ラッシュを緩和するため、企業へテレワークなどを求めている。
しかし、どうしても鉄道を利用しなければならないケースは起こりうる。その際に気をつける点はなんだろうか。考察してみた。
■満員電車でクラスターが発生したケースは報道されていない
4月14日付の報道で、緊急事態宣言が出されてから初めての週明けになる4月13日朝の通勤ラッシュ時間帯の利用者は、ピーク時間帯における乗客数はあまり変化がなかったが、全体ではおおむね3~4割減であったという。大企業を中心にテレワークに移行している企業もあるが、なかなか会社への出勤が避けられない人が多いようである。
JR東日本のWEB(http://www.jreast.co.jp/)によると、在来線の普通列車では「ドアの開け閉めや走行に伴い外気が導入されるほか、空調装置により外気温や車内の温度、乗車率等に応じて適宜換気を行っています」、特急列車や普通列車グリーン車では「外気取り込み用のファンや排気ファンにより、常時換気を行っています」、新幹線車両では「高速走行を行うため車内の気密性を高めていますが、換気装置により常時換気を行っています」としている。
最近はエスカレーターの手すりや車両の吊革など人が触れるものは抗菌素材を、握り棒(スタンションポール)などの金属は表面を汚れにくく加工しているものが多く、特に新型車両では抗菌素材を採用することが常識的になっているようだ。Osaka Metro(大阪メトロ)は約1,500両におよぶ全車両を対象に、消臭・抗菌・防カビ・抗ウイルス効果の高い高規格化セルフィール施工(ニチリンケミカル(株))を施している。