薬の使用やワクチンの開発を望む声も強い。

「なぜこの緊急事態でアビガンを使わないのか理解できない。国は治験を始めているが、待っていられない。適応外処方なので医師の裁量だけでなく、患者やその家族の同意も必要にはなるが、それでももっと多くの医療機関で使えるようにすべきだ。また、使う人は重症者ではなく早期の感染者。それにより重症化を防ぐことができる」(E医師)

 福岡の50代医師の「政府の対策は緩くて遅すぎ。経済はいつか立て直せるかもしれないが、人は生き返らない」という言葉は重い。

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 来年に延期が決まった東京五輪・パラリンピックについても聞くと、もっとも多かったのは「開催できない」という回答で46%。「開催できる」が35%だった。

 オリンピックに対する回答を見ると、「2年後に延期したらよかった」(大阪・40代・病理)、「新型コロナの第2波、3波の時期と重なるため、開催できないでしょう」(京都・40代・精神科)など否定的な意見が多い。本心は「ここまで死者が増え、深刻な状況で、正直オリンピックなんてどうでもいい」(神奈川・30代・整形外科)のかもしれない──。(本誌・山内リカ、吉崎洋夫)

週刊朝日  2020年5月1日号より抜粋

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