スコット・ブルックスHCもこの点に言及しており、23日にウィザーズの公式Facebookで行ったファンとのQ&Aでも「彼(八村)は開幕前こそ先発ではなかったが、そのスポットを勝ち取った。故障後も数試合は良くなかったがバウンスバックしてくれたよ」としつつも、「3Pシュートは改善できる。(成功率を)30%台後半から40%台前半まで上げることができるはずだ」と注文をつけていた。

 ブルックスHCは、最終的に全選手がどのポジションでもプレーできるようになることを望んでいる。となるとフォワードの八村もアウトサイドからの得点力アップは必須の課題。同HCの意向にフィットしたプレーヤーとなるためにも、バスケットボール選手としてさらなるレベルアップが求められているというわけだ。

 またルーキーらしく若さが露呈したプレーもあった。2月24日のミルウォーキー・バックス戦では123対123の同点で迎えた残り4.2秒に、ゴール下に切れ込みフリーの状態でボールを受け取るとそのままレイアップ。ところがこれをブルック・ロペスに豪快にブロックされヒーローになり損ねた。残り時間を考えても、ここで焦ることなくファイクの一つでも入れていれば状況が変わっていた可能性もあり、今後の八村には周囲の状況を見渡す冷静さと判断力も求められるだろう。

 もう一人のNBAプレーヤー、メンフィス・グリズリーズの渡邊にとっては試練のシーズンとなった。今季は中断となっているにも関わらず試合数こそ昨季の15試合から16試合に増えたが、平均プレー時間は11.6分から6.2分に減少。それに比例するように得点、リバウンド、アシストの主要スタッツも昨季の数字を下回った。

 Gリーグでは22試合で1試合平均32.7分プレーし17.2得点、6.0リバウンド、1.9アシストと完全にチームの主力として活躍しているが、2Wayプレーヤーの性とはいえ、グリズリーズではプレーする機会に恵まれない状態が続いていた。

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渡邊は来シーズンどこでプレー?