――その後、取り調べはどうなりましたか?
「先ほどの取り調べから2日後、再度、呼びだされました。この日は短時間で終わらせると言っていました。最初から、河井夫妻から現金をもらった、もらっていないと言い合いになりました。検事にもらっていないと何度言っても、『証拠はある』と自白を強要してくる。堂々巡りが続いて検事は『結論はどうします? もう時間ないので、はっきり言って。お認めになる?』とさらなる自白を求めてきました。私が『もらっていないというのが事実です』というと検事は『自らステージをあげるってことですね』と言い放ち、ドンと机を叩きました。次に『渡辺さんが事件の主役になるってことですね』と再度、机を叩きました。背筋がゾッとしました。まさに、冤罪はこうやって作られるんだと思った。村木厚子さんもこんな怖い経験をされたかなと、取調室で頭をよぎった」
――渡辺県議のご自宅にも家宅捜索が入りましたね?
「4月9日だったと思います。自宅と事務所に検察はきました。案里氏、克之氏の秘書が逮捕された事件でも捜索されたので、押収していったのは、ICレコーダーと手紙だけでした」
――押収されたICレコーダーや手紙に河井夫妻との重要なやり取りが記録されているという情報があります。
「検察がそんな情報を流しているなら、本当にひどい。まったくそんな会話など録音されていない。手紙はある大手マスコミの取材があまりにひどく、弁護士を通じてクレームを入れたら、謝罪の手紙を送ってきた。ただ手紙の内容がひどくて、放置していた。それを検察が見つけて押収したのです。なぜそんな手紙をもっていったのか不思議です」
――代理人の弁護士を通じて、4月30日、最高検に監察指導部に公平な取り調べを求める「要請書」を送付されました。
「私の主張は違法なお金は一切、もらっていない。それしか言いようがない。検事はもらったに違いない、自白しろ、しないなら逮捕すらにおわせて、脅すような取り調べをしています。さすがに我慢ならないと弁護士さんを通じて、送ってもらった」