阿川佐和子(あがわさわこ)/ 1953年生まれ。TBS「情報デスクToday」「筑紫哲也NEWS23」「報道特集」でキャスターを務める。以後、執筆を中心にインタビュー、テレビなど幅広く活躍。99年『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、2000年『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。「ビートたけしのTVタックル」にレギュラー出演中。[撮影/写真映像部・高橋奈緒 ヘアメイク/田中舞子(VANITES) スタイリスト/中村抽里 衣装協力/ドレスアンレーヴ(DRESSUNREVE Co.,Ltd.)]
阿川佐和子(あがわさわこ)/ 1953年生まれ。TBS「情報デスクToday」「筑紫哲也NEWS23」「報道特集」でキャスターを務める。以後、執筆を中心にインタビュー、テレビなど幅広く活躍。99年『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、2000年『ウメ子』で坪田譲治文学賞、08年『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。「ビートたけしのTVタックル」にレギュラー出演中。[撮影/写真映像部・高橋奈緒 ヘアメイク/田中舞子(VANITES) スタイリスト/中村抽里 衣装協力/ドレスアンレーヴ(DRESSUNREVE Co.,Ltd.)]
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 作家でエッセイスト、そしてキャスターとして知られる阿川佐和子さんが、映画「エゴイスト」に出演する。自身も「難しい」という役への意気込みを明かした。

【写真】鈴木亮平さん、宮沢氷魚さんとのスリーショット

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「映画のお話が来ていますが、その時期のスケジュール調整が結構きついです。ただ、阿川さんはやりたがると思いますけど」

 あるとき、阿川さんの仕事の事務の担当者から、そう伝えられた。映画のタイトルは「エゴイスト」。宮沢氷魚さん演じる龍太を息子に持つ、シングルマザーの妙子という役だ。ある出来事をきっかけに、龍太の恋人である鈴木亮平さん演じる浩輔と妙子との距離がどんどん縮まっていき、「エゴイスト」というタイトルに込められた愛の呪縛が、妙子のセリフによって解き放たれるような瞬間がある、とても重要な役だ。阿川さんに、この仕事を受けた理由について聞くと、「私、基本的には受注産業なので」と前置きし、こう続けた。

映画「エゴイスト」は、10日からテアトル新宿ほか全国公開(c)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会
映画「エゴイスト」は、10日からテアトル新宿ほか全国公開(c)2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

「脚本を読んで、『この母親役はかなり難しいぞ』と思ったので、とりあえず監督とプロデューサーにお会いしたんです。『どうして私に声をかけてくださったのですか?』『私で大丈夫でしょうか』みたいなことを聞いた上で、判断しようと思ったんですね。でも、お二人とお会いした直後には、『やってみたい』という気持ちになっていました」

 金銭的に苦労しながら女手ひとつで息子を育て、病気がちになった今は息子に養われているという役柄である。

「バリバリ働くカッコいい女を演じろと言われたら、恐れおののくけれど、見た目や映りをいっさい気にしないですむと思うと、その分、役に気持ちを込められる気がして。以前、『陸王』というドラマで、足袋工場の主任のおばちゃん役を演じたときも、三角巾とエプロンを身につけた瞬間に、下町のおばちゃんの気分が入った感覚がありました。生きることには必死なんだけど、どこか楽天的な“おばちゃん”の要素はもともと持っているのかも、なんて」

(菊地陽子 構成/長沢明)

週刊朝日  2023年2月17日号