慈善家としても知られるX JAPANのYOSHIKIさん。新型コロナウイルス関連でも積極的に活動している。チャリティーをするようになった経緯、その意義とは。AERA 2020年5月4日-11日号で明かした。
【写真】あまりにも美しい… 蜷川実花が撮ったYOSHIKIさん
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――米国ロサンゼルスに住むYOSHIKIさん。4月11日、米国の死者数が世界最多となった。
アメリカは3月13日に国家非常事態が宣言されたのですが、その時点ではLAのみなさんはまだあまりピンときていなかったと思います。中国や日本に関する報道がたまにあるくらいで、「アジアでは大変だね」という感じでした。
でも僕は昨年から今年にかけてほとんど毎週のように飛行機で世界中を飛び回っていたので、状況を何となく察知していて。
初めのうちは自分の中だけで消化していたのですが、友人である山中伸弥教授のお話なども聞いているうちに、“Better safe than sorry.”(後悔するより安全策をとったほうがいい)だなと思うようになって、2月下旬に入っていたヨーロッパでの仕事をすべてキャンセルしました。僕としてはそのあたりから「これはただ事じゃない」と思い始めていました。
まず心に決めたのは「自分が移動しない」ということ。それは、自分の身を守るという以前に、自分がウイルスをばらまかないということです。僕の周りにも感染者がいる可能性がある。もしかしたら自分も感染者の一人かもしれない。僕が飛行機に乗ること、ここから移動することによって誰かに感染させてしまうリスクがあると思った瞬間に、LAに留まることを決めました。
――YOSHIKIさんは新型コロナに対する自身の考えを、SNSを通じて積極的に発信してきた。特にコンサートの開催自粛を呼びかけたツイートは大きな反響を呼んだ。
僕自身も音楽の世界に身を置いているので、「いまはコンサートを開催すべきではない。危険だ」という発言は、自分で自分の首をしめる行為なのかもしれません。マネジメントからも「(SNSでの発信は)できればやめてほしい」と止められました。