「僕の子供ですから、サッカーのセンスはないと思うし」

 18年7月14日、野球教室で小学生を指導した松井氏は、近年野球をする子供たちが減っている問題について、5歳の長男もサッカーに夢中であることを明かし、「ちょっと危ないと思っています」と心配。その理由がこれだった。

「日本語でいい?」

 日米野球開催を前にした18年11月7日、MLBオールスターチームの一塁ベースコーチを務めることになった松井氏が、記者会見で開口一番飛ばしたジョーク。翌8日のエキシビジョンゲームでは、ヤンキースのユニホームを着て、古巣・巨人と東京ドームで対戦するとあって、「心配なのは、ジャイアンツファンからブーイングが来ないか。それだけを心配している」とコメントし、再び笑いを取った。

「ヤンキースの人間としてあまり大きな声では言えないですけど」

 18年11月13日、エンゼルスの大谷翔平のア・リーグ新人王受賞について、「彼が獲るべき賞だったと思います」と発言。ヤンキースのアンドゥハーとトーレスも新人王候補だったので、声高に言えなかったというオチだった。

 今年4月には、東京スポーツ創刊60周年ウイーク特別企画で、「私の現役時代の唯一の後悔は、東京スポーツと仲良くしてしまったことです」とウイットに富んだメッセージを寄せ、「改めまして、この度は心よりお慶び申し上げます。そして、65周年にはもうお祝いメッセージの依頼が私に来ないことを切に願っております」とユーモラスに結んでいる。コロナ禍拡大で不安な日々を過ごす日本のファンも、思わず頬が緩んだに違いない。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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