テレビ朝日系で4月7日に放送された「痛快!ビッグダディ」は、裏番組の阪神・巨人戦をぶち抜いて16.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率をマーク。改めて"お化けコンテンツ"ぶりを見せつけた。
 番組内容は単純明快。元妻との間に9人の子をもうけたビッグダディこと林下清志(46)が、さらに、5人の子持ちの18歳下の美奈子(29)と結婚し、香川県小豆島で暮らす一家の奮闘に密着した、いわゆる"大家族モノ"ドキュメンタリー番組だ。
 06年の放送開始から7年目。最近は、引っ越し費用や出演料をテレビ局が支払っているなどドキュメンタリーらしからぬ"過剰演出"が週刊誌で報じられたが、人気は一向に衰えない。
 コラムニストの今井舞さんの見方はこうだ。
「これまでも大家族モノというジャンルは存在して、視聴者は『大変ね』という視線で見ていた。でも、今回は別。大家族というテーマに乗っかっているだけで、その中身は、父親と母親が口喧嘩しているだけ。下世話な生活を見たいという『見世物小屋』的な欲求で成り立っている番組では」
 今井さんはこうも言う。
「寝間着と普段着の区別もなく、子どもに対する最低限のしつけもままならない。階段を上がる時の足の裏が真っ黒なところや、雑な晩ご飯が日常化しているところ......。要するに『ああはなりたくない』と、視聴者がネガティブな目で見て楽しむのが、この番組の肝でしょう」
 そんな中、早くもゴールデンウイークの放送が決定。まだまだ"ダディ"の快進撃は止まらない。

※週刊朝日

 2012年4月27日号