学校がないと、一日の中で勉強を開始するきっかけをみつけるのが難しい子がいると前述しましたが、そういう子にぴったりのコンテンツもあります。知人が経営している塾「TESTEA」では、朝の8時から9時半まで、「『超』算数道場」という、遠隔授業で自習空間を設ける企画を行っていました。

 勉強開始の時間がきちんと決められていて、出席もとって、映像の奥には「自分が勉強しているかどうかを見張っている人がいる」という環境は、家にいてもゆるまずに勉強しやすい習慣づくりにつながるでしょう。

 150人以上の生徒を同時に指導するという仕組み柄、全体ではなく個別にマイクをつなげて声かけをしていたそうですが、生徒の感想によると、あたかも個別指導塾で教わるような緊張感が味わえたとのこと。(5月になり教室がレギュラー化されたようです)

 こんな状況下ですから、探せばもっとたくさんの、有意義な遠隔授業が見つかるのではないかと思います。通っていた塾からの指導に従い、送られてくる映像授業を受動的に見るだけではなく、自分から教材を探しにいくことで、自分に合った勉強形式も見つけられるはずです。
 
■ネットに弱い上のほうの人たち……コロナ騒動で見えてきたこと

 コロナ騒動は厄介ではありますが、全国が一斉に休校にならなければ、ここまで遠隔授業への動きは広がらなかったでしょう。こうして一気にオンライン化が広まれば、地方との教育格差が埋まるきっかけにもなり得ます。YouTube で、どこか一つのチャンネルでも予備校として成功してくれれば、問題視されていた親の年収による勉強格差もなくなるかもしれません。
 
 知り合いの高校教師に「休校中に遠隔授業は行わないの?」と質問したところ、「上のほうから、もう少し様子をみようという返事しかもらえない」と嘆いていました。

 学校にいる上のほうとは、成果主義ではなく、いわゆる年功序列でやってきた「事なかれ主義の人たち」が多く、さらに年齢でみてもネットに弱い割合が高いと考えられます。そんな、頭の固い学校の授業の遠隔化を家でじっと待っているだけでは、他校の生徒に置いていかれるでしょう。
 
 文部科学省が「小中高の遠隔授業には単位を与えない」と否定的な発言をしていましたが……その点も今後、規制緩和が行われるのではないでしょうか?

 そもそも、現在は小学校でもプログラミングの授業が取り入れられています。つまり、今後は学校でもネットへの入り口を広げる流れを作ろうとしているわけです。そう思えば、コロナ騒動は勉強面のピンチでもありながら、将来への遠隔化導入を一気に進めるチャンスにつながっているとも言えます。  

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