■こんな状況で親ができることは、何か

 こんな状況で、親は子どものために何ができるかを考えてみると……やはり、すぐにデジタルな環境を整えてあげることではないかと思います。急ごしらえの下手な映像授業はつまらないでしょうが、今後は遠隔授業が一気に発達し、うまく編集された面白い勉強動画もたくさん作られてくるでしょう。
 
 ネットで起きた事件のことを考え、普段は子どもに使わせることを遠ざけてきた親もいると思いますが、今は逆にそれがデメリットになるかもしれません。タブレットやスマホも、どのアプリを何分使ったか調べたり、何時まで使用できるか決めたり、ネットの閲覧を制限したり、親が管理できる便利な機能があるので、きちんと見ていれば心配ないと思います。
 
 そして、子どもは目の疲れを感じにくく、 特に10歳以下の子どもは目の発達が十分でないため、スマホの見すぎによる急性内斜視が増えていることも問題になっています。こちらも、画像から30センチ程度離れるように注意し、あまり長時間使用しすぎないように、親が注意すべきです。

 映像授業といえば、4月初旬から、YouTube でインターネット予備校「ただよび」というものが作られ話題になりました。

 なんと、2週間で登録者数10万人を超えたそうです。 大手予備校で30年トップだった古文の人気講師の吉野敬介先生と、TOEIC で満点を89回も取った英語の森田鉄也先生が立ち上げたもので、月曜日から金曜日まで毎日動画を配信しているようです。

 完全無料でいつでもどこでも視聴できることもポイントです。こうした授業は、ネット環境が整っていなければ受けられないものです。

■生徒にも講師にもwin-winの関係

 それに「ただよび」が無料で見られるのは、YouTube の視聴回数とチャンネル登録により、講師側にアフィリエイトでお金が入るからです。現在 YouTube で稼ぐのは難しくなっていると聞きますが、専門性がある分野では、ターゲットが絞られるため高額な広告がつきやすいそうです。

 つまり生徒が大勢見れば見るほど、講師たちに資金が入るという仕組みなので、もしこの YouTube チャンネルがうまく軌道に乗れば、ほかの科目でも講師を引き抜いたり、呼んだりしてもらうことができるかもしれません。いずれにしろ、生徒にも講師にも win-win の関係になるわけですから、どんどん活用しない手はありません。
 

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