もっとも、この段階になっても痛みを我慢できる人もいるようです。
最重症の歯周病を放置した結果、歯のグラグラがひどくなり、あるとき、
「自然に歯が抜けました」
と受診をしたり、
「グラグラしていて邪魔なんで、自分で抜いちゃいました」
と、やってくる患者さんも少なからず、いるのです。
「こんなになるまで受診しなかったなんて、痛くなかったの?」
と聞くのですが、「我慢ができた」と……。そのたびにびっくりしますが、痛みを感じにくいのは歯ぐきの血流が悪い、ヘビースモーカーの人に多いようですね。その都度、痛み止めを服用していたのかもしれませんが。
一方で、初期の歯周病でも歯ぐきの症状に敏感で、ものすごく痛がってやってくる患者さんもいます。痛みは主観的なものですから、その感じ方には個人差もあるということでしょう。
つまり、痛みで歯周病の病状を判断するのは難しいのです。
だからこそ、症状がないときにも歯科医院に行き、歯周病の有無や進行度を診てもらうことが大事といえます。歯科に関しては症状があったら早めに受診をしてください。新型コロナウイルスの流行で、受診を心配する人がいますが、歯科医院はHIV、肝炎などあらゆるウイルスを持つ患者さんを普段から想定し、治療器具の滅菌を徹底し、感染予防に努めています。