ただ、環境省は「ペットから人への感染は、現時点では報告されていません」と公表している。動物愛護を管轄する担当者もこう話す。
「動物から人への感染の可能性はあるかもしれませんが、少ないでしょう。世界にこれだけの人がいて、ペットもいて、報告がほとんどありません。濃厚接触を避ければ、それほど心配ないのではないでしょうか」。オランダのミンクの話は「相当過密な閉鎖空間だったようで、特殊な事例」とも指摘した。
日本獣医師会は、感染サイクルの主体は人だとしつつ、濃厚接触で愛玩動物への感染の可能性は否定できないとする。このため、「しっかりした感染防御の対応が最も重要」との見解を示している。担当者は、動物から人への感染について「可能性はある」としながらも、「今のところ感染主体が人であることに違いはない」と改めて強調する。
新型コロナだけでなく、さまざまな感染症があるため、ペットへの接し方にはくれぐれも注意が必要だ。東京都の動物管理にかかわる担当者は、注意を喚起する。
「濃厚接触はほかの感染症と同様に避けてください。動物に触れたら手洗いをして、口移しはやめましょう」
(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2020年6月19日号