検察は河井克行前法相と妻の案里参院議員を、6月17日の国会閉会後に、公職選挙法違反(買収)容疑で刑事責任を追及する方針だ。
【写真】二階幹事長は小泉元首相と山崎拓元自民党副総裁らと謀議?
「買収の件数が複数あれば併合罪加重して、懲役3~4年を求刑するかもしれません」
そう話すのは元特捜検事の郷原信郎弁護士だ。
河井夫妻は昨年3月以降、首長や地方議員ら約100人に2千万円以上の現金を配ったとされる。しかも買収の原資は、自民党本部から河井夫妻が代表を務める各政党支部に振り込まれた1億5千万円の“選挙資金”だった疑いがある。
「買収のためのお金が党本部から出ていたとすれば、買収資金の交付罪になる可能性もある。そうすると、資金提供を決めたのは誰なのかが焦点になる。検察は河井夫妻の逮捕だけで収めるのではなく、党本部にも家宅捜索に入って真相究明するべきです。安倍首相の責任問題に発展することは免れない」(郷原氏)
ポスト安倍を見据えた動きが加速するのだろうか。石破茂元幹事長は二階俊博幹事長に、石破派の政治資金パーティーでの講演を依頼した。二階氏は6月8日の会見で石破氏のことを「将来さらに高みを目指して進んで頂きたい期待の星」などと持ち上げた。
さらに二階氏は9日の東京・赤坂の料亭で開かれた小泉純一郎内閣時代の幹事長らの“同窓会”にも参加。同席した山崎拓元副総裁がこう語る。
「石破さんと二階さんが接近するのはいいことじゃないの、と話題になった。私も石破さんを応援しているけど、二階派にも石破さんを応援してほしいからね」
そうなると、安倍首相の退陣もあるのかと気になるところだが、別の自民党の重鎮は、こう見る。
「ないない。8月に内閣改造があって、ポスト安倍はその後だよ」
一方、河井夫妻問題や、東京高検前検事長の黒川弘務氏の賭けマージャン問題などで守勢に回る安倍首相だが、最近は頻繁に官邸入りしているという麻生太郎財務相と話し合っているようだ。官邸関係者が語る。