新潟県湯沢町のリゾートマンション群 (c)朝日新聞社
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利用していない山林でも、固定資産税や相続税の負担がのしかかってくる  (c)朝日新聞社 (写真はイメージ)
利用していない山林でも、固定資産税や相続税の負担がのしかかってくる  (c)朝日新聞社 (写真はイメージ)

 自筆証書遺言を全国の法務局で預かる新制度が7月10日から始まる。手続きがよりお手軽で安全になるこの機に合わせ、「お得」で「損をしない」相続に動き出してみてはどうだろう。いらない不動産や山林処分でいま知っておくべき情報を総力取材した。

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「近年、相続登記をされずに放置されたままの物件が増えています。相続人を探し出し、適切に対応していきます」

 日本有数のスキーリゾート地、新潟県湯沢町の税務担当者はこう話す。同町はバブル期に建ったリゾートマンションが林立し、最近は退職した高齢者の移住も増えている。温泉やスポーツジムなど充実した設備を備えた移住者向けのマンションも多い。

 だが最近、一部のマンションで価格の暴落ぶりが話題になっている。マンション管理士で、自身も町内のリゾートマンションに住む大竹久美さんは、こう打ち明ける。

「価格が売り出し当時の10分の1に下がったり、実質ゼロ円でも買い手がつかなかったりするところもあります。昨年は『有償で物件を引き取ります』とうたうダイレクトメールが一部のマンションに配られ、不動産関係者の間で話題になりました」

 中にはタダでも売ることができず、不要になったマンションを、お金を払って引き取ってもらうケースまで出ているという。

「もちろん、町内のマンションすべてに当てはまるわけではありません。きちんと管理が行き届いたマンションで、スキーや山菜採りを楽しみながら悠々自適に暮らす人も多い。でも、マンションが多く建てられたバブル期に、働き盛りの年代で購入した団塊の世代など多くは今、70~80代。管理費や修繕積立金、固定資産税が重荷だったり、子や孫がいなかったりし、何とか手放したいと考えている人もいます」(大竹さん)

 大竹さんは、一昨年に参加した町内のマンション組合の代表者が集まる会合で聞いた話が忘れられない。マンション内で一人暮らしの高齢者が亡くなった後、親族らが火葬を済ませたものの、管理人が部屋の整理のために赴くと、室内に骨壺だけが残されていたことがあったという。遺骨の引き取り手がなく、放置されたままになっていたのだ。

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