好選手が多いMF陣では、まず大卒ルーキーの安部柊斗(FC東京)の名前を挙げたい。FC東京ユースから進んだ明治大で大きく成長し、豊富な運動量と球際の強さで中盤を支えるボランチ。特別指定選手として2019年にJデビュー済みで、正式加入した今季はACLでスタメン出場してアシストも記録。リーグ再開後も欠かせない戦力として攻守に渡って動き回っている。今後、Jリーグで結果を残しながら、五輪代表からA代表へとステップアップして行く可能性は十分にある。

 前橋育英高から東洋大を経てプロ入りした坂元達裕(セレッソ大阪)も、今後の成長が注目される1人だ。大卒1年目の昨季、J2のモンテディオ山形で全42試合に出場し、独特なリズムを刻む鋭いドリブルでチャンスメークしながら自ら7得点をマーク。今季J1のセレッソ大阪に加入すると、すぐさまレギュラーの地位を確保した。アンダー世代の代表経験はないが、このまま攻撃に違いを生むプレーを続けられれば、将来的に代表候補リストにも入ってくる。

 すでに騒がれているが、2001年6月1日生まれの19歳、松岡大起(サガン鳥栖)も将来を嘱望される逸材として再認識しておきたい。サガン鳥栖U-18のキャプテンとして世代別の日本代表にも選出され、高校3年生だった2019年にトップ昇格。同年、リーグ戦23試合に出場するとともに、当時17歳ながらU-22日本代表に飛び級で招集された。ボランチを本職にサイドやトップ下でもプレー可能な幅広い能力を持ち、試合の中で優れた判断力と高いインテリジェンスを発揮。先日発表されたU-19代表のメンバーの中でもJ1での経験、実績は随一だ。

 すでにA代表デビューを飾った小川航基、前田大然、田川亨介、上田綺世のほか、前述した西川潤、中村敬斗、染野唯月らの有望な若手が頭角を現わしつつあるFW勢では、将来の代表候補として、1999年生まれの21歳、原大智(FC東京)を推したい。

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