もちろんエネイブルもまだ見限ることはできない。ディアドラと同じく年齢的に上積みは難しいだろうが、ガイヤースの2着に敗れたエクリプスSも相手がひと叩きしていた分だと思えば十分に評価できるものだった。距離的にも2400メートルのほうが向いており、本番の凱旋門賞で逆転する可能性は大いに残されている。

 ガイヤースは逃げ切ったエクリプスSの内容や圧勝した昨年9月の独G1バーデン大賞と、10着に沈んだ昨年10月の凱旋門賞を見るに、明らかに良馬場が向いたタイプ。悲願の凱旋門賞制覇へ最大の敵は当日の天候ということになるかもしれない。

 昨年の仏ダービー馬で凱旋門賞3着だったソットサスは6月の仏G1ガネー賞を制覇。ただしこちらも追い込み脚質で馬場は軽めの方がよく、前売り段階では案外と人気を集めていない。昨年の凱旋門賞4着馬ジャパンも今年はG1で4着、3着とやや物足りず、オッズを落としている。

 むしろ古馬勢で隠し玉として注目したいのは、デビュー5連勝で昨年のG1英セントレジャーを制した無敗馬ロジシャン。飛躍が期待された今年は一時は命の危険もあった腹膜炎のため長期休養を余儀なくされているが、陣営によると秋には復帰が見込めるとのこと。ローテーションも含めて未知の部分が大きいものの、秘めたポテンシャルは相当なものだ。

 3歳クラシック組に目を向けると、英ダービーは大逃げを打った伏兵サーペンタインが5馬身半差で圧勝する意外な結果。この馬に関してはまだ分からない部分も多く、次走次第でオッズも大きく変化するだろう。

 仏ダービーでは4番人気のミシュリフが勝利。ラスト100メートルで見せた末脚はかなりのもので、前売りではソットサス(13倍から17倍)と同等以上の11倍から15倍のオッズとなっている。愛ダービー馬サンティアゴは長距離路線を進み、英セントレジャーを最大目標としている。

 仏オークスを勝ったのはディープインパクト産駒のファンシーブルー。今後の路線はまだ未定だが陣営は凱旋門賞も視野に入れていると表明している。ただし前売りオッズはおおむね26倍と、現時点では伏兵評価の域を出ていない。

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今年も見どころの多い凱旋門賞