6月末、立教大経営学部(東京都)の人気授業「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」(BLP)をのぞいた。授業では選抜された五つのグループが、総合人材サービス会社パーソルホールディングス(東京都)の幹部らに新規事業を提案していた。
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「このプランを通じて、働く活力が得られることを価値提供したいと考えている」
「おもしろい企画だと思ったが、お金の流れがイメージできなかったので、もう少し具体的に教えてほしい」
「システムの提供とサポートをしてもらうことで、参加企業から料金を払ってもらうことを考えている」
幹部からはビジネスの視点で鋭い質問が飛び出し、学生もしっかりと答えていく。緊張感のあるやりとりだが、これはすべてオンライン上。この日はウェブ会議システム「Zoom」と動画投稿サイト「YouTube」を使ってビジネスプランの提案が行われた。
新型コロナの影響で立教大は4月30日から授業を開始したが、経営学部はいち早くオンラインでの授業実施を決め、9日から始めた。
BLPの売りは少人数による実践的な教育だ。2年生の場合、10クラスに分かれ、1クラスは30人。授業の冒頭で、担当教員らがその日に学ぶビジネススキルなどについて説明する。その後、4、5人のグループに分かれて、演習していく。
このとき活躍しているのが学生スタッフだ。各クラスに教員を補助するSA(スチューデント・アシスタント)と呼ばれる学生が1人つき、後輩学生に指導をする。さらにCA(コース・アシスタント)と呼ばれる学生が2クラスに1人つき、SAを補助する。各グループに1人、メンターと呼ばれる学生もつく。
これまで、きめ細かい授業はオンラインでは難しいと思われてきた。だが、Zoomなどを使って実現。オンライン上でグループに分かれ、演習をしている。
また、BLPでは授業外でも学生同士のつながりを強める試みをしている。オンラインでのクラス会の実施だ。昼や夕方などに2時間程度のクラス会を開き、スマホで一緒にゲームをするなど交流を深めてきた。多くの大学では入構制限がなされており、学生の孤立化が課題として挙がっている。BLPではこうして先輩や後輩、同期との密な関係をつくってきた。