他方、3人が「株式会社TOKIO」という受け皿を作ることで、将来的には元メンバーの山口達也さんの芸能界復帰につなげる意図があるのではないか、という見方もある。

「未成年が数多く在籍し、近年は所属タレントの風紀の引き締めが厳しいジャニーズ事務所からよりも、株式会社TOKIOからの復帰の方が断然可能性は高い。松岡さんが『山口と付き合いがないかと言われたらそんなことは全くなくて、この件も報告もする』と話した意味は大きいでしょう」(同マネジャー)。

 退所するタレントに対してここまで理解を示し、残ったメンバーにも別会社の設立を許可するというのは、ジャニーズ事務所としては異例の対応だろう。民放テレビ局の情報番組スタッフは、その背景に「事務所とTOKIOとの信頼関係がある」と語る。

「近年は、城島さんがラジオ番組でお笑い芸人や女性アイドルとざっくばらんに冗談を言い合ったり、松岡さんが大好きなお酒を飲みつつ大衆居酒屋でゲストとラフな感じでおしゃべりを楽しんだりと、メンバーそれぞれが個性を生かし、伸び伸びと活動していた印象があります。良い意味でアイドルらしくない、気取らない人間味あふれる姿が好感度にもつながっていた。こうした活動が許されていたのは事務所との厚い信頼関係があったからこそでしょう」

 TOKIOのメンバーは、ベテランとなったジャニーズタレントの理想形を体現していたわけだが、それができたのも事務所との信頼関係が醸成されていたからなのだろう。スポーツ紙の芸能担当デスクも、そうした一面を垣間見ている。

「『NHK紅白歌合戦』ではリハーサルの際に出演アーティストが個別の囲み会見に応じることもあるのですが、TOKIOはその常連でした。他の所属グループの会見の時はピリピリしているジャニーズ事務所のスタッフも、TOKIOの番になるとニコニコしていましたね。メンバーたちは報道陣に対してもフレンドリーで『何でも好きなことを聞いてください』というスタンス。松岡さんがリーダーの城島さんをイジッて笑わせたり、時にはスタッフまでネタにしたりと、メンバー同士はもちろん、スタッフも含めて、みんな仲が良さそうでとにかく雰囲気がいいんです。メディア関係者の間でもTOKIOの好感度は高く、今後の4人の活動を応援したいと語る業界人も多い」

 事務所の内外にTOKIOのメンバーが積み重ねてきた信頼感があったからこそ、長瀬は円満な形で独立できたのだろう。また4人で、いや、もしかしたら「5人」で再活動する日も来るかもしれない。(伊藤茂)

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